「野嵩ゲートの攻防」はつばぜり合い
「抗議活動を妨害したい一心で、米軍はゲート前をたいへん危険な状態にしてしまった」。29日、普天間飛行場野嵩ゲート前で、赤嶺和伸さんが説明してくれました(写真左)。
22日夜の新フェンス設置に伴い、バリケードの位置が約1㍍前に移動。それによってゲート入口の横断歩道の停止線がなくなってしまったのです。ゲートから出てくる米軍の車両は、新フェンスで視界を遮られたまま、停止線のない横断歩道に入ることになります。「ここはスクールゾーン。小・中・高生が通学するところ。たいへん危険だ。米軍は沖縄の子どもたちの安全などまったく考えていない」。赤嶺さんたちは怒りを新たに、市教育委員会にも米軍に働きかけるよう申し入れています。新フェンス設置強行以来、野嵩ゲートは1週間閉まったままでした(30日開門)。連日の抗議活動への刺激を避けたのか、市民に顔向けができなかったのか。「野嵩ゲートを1週間封鎖した」。赤嶺さんは皮肉まじりで米軍の動きに注目しています。
この日もフェンスに抗議の赤いテープを張る女性たちの姿がありました(写真右)。しかしこのテープは1週間もちません。毎週土、日に剥ぎ取られるからです。取るのは米軍ではありません。「オスプレイ配備支持」グループです。平日に張っては、土日に剥がされる。その繰り返しです。
入口から少し離れた所にある市民広場に新しい看板が立てられました。「禁止事項」に次の項目が付け足されました。「米軍への抗議行動としての駐車場使用、凧揚げ、風船での抗議行動」。看板を立てたのは宜野湾市役所です。もともと日米安保賛成の保守系・佐喜眞淳市長。オスプレイ・基地に対する態度は、米軍と住民世論との間で揺れ続けています。
野嵩ゲートの攻防は、まさに一進一退の持久戦です。米軍も防衛省も、市民の反対世論・行動を注視しています。米軍が空軍仕様オスプレイの嘉手納基地配備を躊躇しているのは、海兵隊仕様オスプレイの配備に反対しているここ普天間の野嵩・大山ゲートでの抗議行動を見ているからです。
市民の粘り強い不屈の”武器なきたたかい”が、世界最強の米軍とつばぜり合いを演じる。そんな現代史がいま、沖縄の普天間で、辺野古で、高江で、繰り広げられています。
<今日の注目記事>(31日付琉球新報1面トップ)※沖縄タイムスも1面
☆<防衛省 オスプレイ「違反なし」 調査不十分認める 県指摘、一部検証できず>
「防衛省は30日、米軍オスプレイをめぐり県が日米間で合意した運用ルールや安全確保策に違反すると指摘していた318件の飛行について、『合意違反の確証は得られていない』とする検証結果まとめ、県に提出した。米側の説明を基に県側の主張を退けた形だが、一方では県が指摘した違反のうち、普天間飛行場の周辺以外については写真がなく、事実上検証できないとも説明。『合意違反が絶対ないということも言い過ぎだ』として、調査の不十分さも事実上認めている」
※「写真がない」とはよくも言えるものです。県はちゃんと違反飛行の写真を撮っています。防衛省はまったく米軍のいいなりです。その一方で「絶対ないともいえない」とは、まさに、米軍と沖縄の間で世論の動向をうかがっているのです。
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