【ニューヨーク=小野甲太郎】米国を訪問中の安倍晋三首相は24日、集団的自衛権行使を憲法解釈変更により認めた場合に自衛隊が「地球の裏側」に派遣される可能性について「サイバーアタックも国境を越え、かつてのような地理的概念がなくなっている。地理的概念で『地球の裏側』という考え方はしない」と述べた。ニューヨーク市内のホテルで記者団に語った。
自衛隊の活動範囲については、日本からの地理的な距離とは関係なく事態の内容により判断すべきだ、との考えを示したものだ。首相は「日本人は地球上の色んな場所で活躍している。アルジェリアのような場所でテロにあうこともある」と説明。集団的自衛権行使や集団安全保障での自衛隊の活動範囲については「国民の生命と財産を守るには世界の平和と安定が前提となる」といった観点から検討する必要性を指摘した。
一方、首相は行使容認に向けた憲法解釈変更について「時期を設定するつもりは今はない。国民的に理解が進むよう努力する」との考えを示した。
首相は、消費増税対策である法人税率引き下げについては「企業が活力を維持することで賃金に反映されるようにしていく(ことが重要だ)。『法人対個人』ということではなく、国民全体の収入を上げるためにどうすればいいか冷静に議論する必要がある」と理解を求めた。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞官邸クラブ