豪栄道(右)が白鵬を押し出しで破る=両国国技館で(北村彰撮影)
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◇秋場所<10日目>
(24日・両国国技館)
横綱白鵬(28)=宮城野=は関脇豪栄道(27)=境川=に押し出され、初黒星を喫した。豪栄道は7勝目。横綱日馬富士(29)=伊勢ケ浜=は魁聖を上手投げで退け、稀勢の里(27)=鳴戸=は大関対決で琴奨菊を寄り切り、ともに2敗を守って勝ち越した。大関鶴竜は千代大龍を下して7勝目を挙げた。琴奨菊は4敗に後退した。白鵬を2敗で追うのは、平幕で勝ち越した豊真将を加えた3人。3敗は新入幕の遠藤ら5人となった。十両は鏡桜が1敗で単独トップ。
背中に浴びる大歓声が心地よい。優勝争いをもつれさせる殊勲の白星を挙げたヒーローを称える館内は「豪栄道コール」に包まれた。
「励みになりますね。(勝ち残りで控えに座っている間は)ちょっとボーッとしてました」。過去の対戦成績は1勝20敗と一方的だっただけに豪栄道は昨年の夏場所以来2度目の白鵬撃破を少し感傷的に振り返った。
立ち合い、白鵬のとったりを防いだあとは、あえて組まずに離れて攻めた。慌てた白鵬の張り手が空ぶったところで低く頭から突っ込み、一気に押し切った。
「(狙いは)組み止められないこと。休まずに攻めること。止まると相手が有利。(この勝利は)でかいですよ、でかい」と声を弾ませて「これが一つのきっかけになれば、ですね」。もちろん劇的な1勝に先には来場所以降の大関とりを見据えていた。
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