7回表2死三塁、浅尾は菊池(中)に勝ち越しの中前適時打を浴びる。捕手谷繁=ナゴヤドーム
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◇広島5−3中日
中日は1回に3点を先制も、継投策が裏目に出て逆転負け。3−2の7回、三瀬が1死三塁とされた後、浅尾が登板も、丸の適時三塁打で同点とされ、続く菊池に勝ち越し打を許した。広島の野村は6イニング3失点で11勝目を挙げた。
◇
勢いでライバルをのみ込んだ。広島が会心の逆転劇で中日を下し、16年ぶりのAクラスと球団初のクライマックスシリーズ進出にあと1勝とした。
1点を追う7回、代打の小窪が三塁打を放ち無死三塁。1死後、中日が投入した浅尾に2死まで追い詰められた。ここで打席に入った丸は夏場以降、不調だった。ベンチで野村監督から「どうせ打てないなら開き直れ」と突き放され、「腹をくくった」。決め球のフォークボールを狙い打って左翼フェンス直撃の同点三塁打。菊池も適時打で続き、勝ち越した。
1回に3点を先制される重い展開にも「どうにかなるだろうと思っていた」と菊池。2回と3回は単打をつないでチャンスをつくり、相手のミスに乗じて得点。逆転を当然のシナリオのように思える雰囲気がナインの間にはあった。シーズン佳境に入ってから快進撃した経験が、大事な試合で萎縮しがちだったチームに自信をもたらした。
「僕は黙って、心の中で『お前らがやるしかない』と思うだけ」。野村監督は高まる気持ちを抑えるように静かに話した。
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