9回、西武・ヘルマンにサヨナラ打を浴びた楽天・青山(41)=西武ドーム
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◇西武4−3楽天
西武がサヨナラ勝ち。0−2の8回に秋山、中村の適時打などで3点を挙げ逆転。9回に追い付かれたが、その裏に1死から鬼崎が三塁打し、続くヘルマンの左前打で試合を決めた。楽天は終盤に投手陣が粘れず、連勝が4で止まった。
最後は青山が踏ん張りきれなかった。同点で迎えた9回、1球で1アウトを取ったが、続く9番・鬼崎に高めに浮いた球を左翼越え三塁打。そして1死三塁で、ヘルマンにあっさりサヨナラ打を左前に持っていかれ、ジ・エンド。星野監督は「青山? ちゃんちゃらおかしい。2球で三塁まで行かれてちゃね」と、ばっさり斬り捨てた。
2位ロッテが勝ち、優勝マジックは「3」のまま。この3連戦を前に指揮官は「ロッテが負けないことを想定して戦う」と、自力でマジックを減らすと宣言していただけに、足踏みにも「向こう(ロッテ)が勝つのは決まっていること。優勝は簡単じゃない? 負けたんだから、そう言うしかないな」と淡々としていた。
勝ちきれなかったが、勝利への執念はみせた。中盤までは則本と十亀の息詰まる投手戦。マギーが7回、27号ソロで均衡を破った。なお1死三塁で嶋がスクイズを敢行。ファウルになり失敗したものの、ヒッティングに切り替えると中越え二塁打で追加点を奪ってみせた。8回に則本が突如乱れ逆転を許したが、最後まで諦めなかった。
9回表には枡田が「1点差だったので、一発を狙って魂で打った」と、8号ソロをバックスクリーンにたたき込み、追いついた。サヨナラ負けは喫したが、これこそ星野監督の求める姿だ。
今季、星野監督は「今年は我慢しない。“勝ちにこだわる”ということを選手に言い続けてきた」と、8年間のうち7度、Bクラスに甘んじてきたチームに、勝利への執念を植え付けてきた。その勝利を積み重ね、やっとペナントに手の届くところまで来た。マジック3。焦ることはない。あとは、目の前にぶら下がっているペナントを引き寄せるだけだ。 (竹村和佳子)
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