都市部の高齢者 自宅などで暮らせる仕組みを9月21日 0時29分
今後、急速に進む都市部の高齢化への対策を話し合う厚生労働省の検討会は、地方の自治体が都市部の高齢者を受け入れるために介護施設を作ることについて、住み慣れた地域から地方の施設への入所を強いるおそれがあるなどとして慎重に検討すべきだとする報告書をまとめました。
都市部では今後、高齢化が急速に進み、介護が必要な高齢者も増えると予測されていますが、土地の確保が難しく介護施設の不足が課題になっています。
このため厚生労働省は、専門家による検討会を設けて対策を検討し、20日、報告書をまとめました。
この中で、地方の自治体が雇用の創出などを目的に都市部の高齢者を受け入れる介護施設を作ることについて、住み慣れた地域から地方の施設に入所を強いるおそれがあるなどとして、自治体や住民の間にもともとつながりがある場合を除き、慎重に検討すべきだとしています。
そのうえで、人口が密集する都市部の強みを活かして在宅医療や介護の普及や、空き家などを活用した住まいの確保などを進め、自宅でも施設と同じ安心感を確保すべきだとしています。
また、社会への参加意識の高い退職後の団塊の世代に介護予防や生活支援の担い手になってもらうとともに、移住する場合も健康なうちに移り住んで、その地域で関係を築きながら年を重ねることが望ましいとしています。
検討会の座長を務めた東京大学の大森彌名誉教授は、「都市部では施設の建設が難しい以上、自宅で安心して暮らせる仕組み作りを追求することが有効な対策だと明確に打ち出したことに意味がある。仕組み作りを担う市区町村の取り組みに期待したい」と話しています。
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