福島県漁連は24日、福島県福島市で組合長会議を開き、福島第1原発事故の汚染水問題で見送っていたいわき市漁協の試験操業を10月3日に始めることを決めた。福島県南部での試験操業は初めて。試験操業の再開を延期していた相馬双葉漁協(相馬市)については、今月25日の再開を決めた。
県や東電が魚介類や海水に含まれる放射性物質を調べた結果、安全性が確認できたため。当面はメヒカリやミズダコなど16の魚種を対象とし、モニタリングで問題がなかった分を出荷する。
いわき市漁協は今月5日に初の試験操業を実施する予定だったが、7月に汚染水が第1原発の港湾内に流出していることが明らかになり、見合わせた。当初は26日開始予定だったが、台風の影響で遅れた。
試験操業を実施していた相馬双葉漁協は6月下旬に漁期を終え、9月上旬に再開予定だったが、汚染水問題で延期した。
いわき市漁協の矢吹正一組合長は「2年半待った試験操業が始まることになり感無量だ。東電は汚染水対策をしっかり講じてほしい」と話した。