(cache) 帝国劇場 ミュージカル「二都物語」


【BACK NUMBER】5月15日製作発表

『二都物語』初日に先立ち、前日の7月17日に囲み取材が行われました。


―御挨拶

井上芳雄
「シドニー・カートン役を演じます。この『二都物語』はブロードウェイミュージカルなんですけど、日本では初演ということで、鵜山さんの演出のもと、僕たちの日本版ということで新しくつくってきました。とてもドラマチックなストーリーですが、どのようにこの話がお客様に届くのかなと、今とてもワクワクしてますのでぜひ楽しみにしていただければと思います」

浦井健治
「チャールズ・ダーニー役を演じます。フランス革命時に起きたストーリーなんですが、群像劇といってもいいほど1人1人のキャラクターが際立つように鵜山さんが演出してくださったので、1人1人の登場人物にお客様1人1人が感情を込められるドラマチックな内容になっていると思いますし、音楽もそれによりそう形でメロディアスなものが多いと思うので、心の浄化、じゃないですけど涙をいっぱい流しに来て頂けたらと思っています」

すみれ
「この素敵な男性二方(井上・浦井)に愛される、ルーシー・マネット役を演じます。彼女はどんな女性でも共感できる、心が広い、誰からも愛される女性だと思います。私はこの役を演じてからいろいろ勉強にもなりましたし、毎回演じるたびに変わっていってると思うので、何回観に来て頂いても楽しいと思います。ぜひ帝劇に来てくださいね!」

濱田めぐみ
「マダム・ドファルジュ役を演じます。私はこの3人(井上・浦井・すみれ)とはなかなか関わりがないんですけど、『二都物語』のベースであるフランス革命の渦中を突き進んでいく女性の役です。舞台稽古に入りまして衣裳、カツラ、照明、セットすべてが整った中で、みなさんが活き活きとしたキャラクターで演じられるのを見て、でき上がりが楽しみになってまいりました。ぜひ劇場でこの空間を共有したいと思いますので、お待ちしております」

橋本さとし
「マダム・ドファルジュの夫・・・エルネスト・ドファルジュ役を演じます。僕は普通のワイン酒場の女房の尻にしかれる男…ではありません!民衆を引っ張って革命を起こそうとして、気がつけば女房の尻にしかれてる(笑)。この『二都物語』ってパリとロンドン、2つの都を舞台に繰り広げられる、色んな人間模様が描かれたストーリーなんですけど、それだけじゃなくて、普通の男と女が愛し合うこととか、そのバックボーンには社会のすごく大きなうねりがあってその中で愛し合うということの究極さとかも問われてくるような作品だと思います。そういうスケール感のあるストーリーの中に、僕たちもキャラクターとして活き活きとできる、この日本初演のミュージカルに出られることを光栄に思っております。お客様と一緒にわかちあって、これからも残っていくような作品にしたいという気合は十分です!(井上さんとは)全然絡みがないんですけどね」

井上 「そうなんですよね。パリ組とロンドン組でわかれて、ほとんど舞台上では会わないですね」


―井上さんと浦井さんは、演技を伴う共演は5年ぶりですが、いかがですか?
井上 「そうですよね。5年前はすれ違いのような役だったので、ちゃんと芝居するのは初めてです」
浦井 「そのとき僕空飛んでたので。人間じゃなかったので・・・」
井上 「新鮮ですかね。普段の浦井君はよく知っていて、すごくボケるんですけど、芝居上では全然ボケずに真面目にしているので、新鮮な驚きというか、この人頑張ればできるんだみたいな(笑)」
浦井 「いつも頑張ってますよ!」
井上 「役者さんだったんだ浦井君は、みたいな新鮮な発見があっておもしろいですし、僕たちは共通したものを持っている役ではありますし、似てるが故に彼のことをからかってみたりとか、羨んでみたりとかする役なので、普段の関係性も活かせてるというか、共通するところもあっておもしろいなと思います」
浦井 「芳雄さんとこうやってデュエットさせてもらえたりだとか、ガツンと芝居で絡める機会は初めてに近いので、「こう来たか」「ああ来たか」っていう発見が多々あって、ストレートプレイもミュージカルも両方やっている自分たちの、これから先へ先へ目指してるものがちょっとだけ似てるところがあるんじゃないかなって発見があったりして、頼れる同志のような人だなと思います」


―すみれさんと濱田さんは初めての帝劇ですけど、舞台に立たれていかがでしたか?

すみれ 「一番最初に立ったのはイベントの時で、そのときはすごく緊張しました。舞台は高校の時からやっているので、衣裳を着て準備を整えてから入った何の緊張もなく、もう普通にルーシーでいられたので、リラックスして稽古ができたのが嬉しかったです」
濱田 「さすがに歴史の長い劇場で、私自身初めて舞台に立ったのもすみれちゃんと一緒でイベントの時だったんですけど、実際お芝居で立った時に空気感というか、建物の持つ温かさとか、たくさんの役者さんが演じてらっしゃった想いというのがすごく込められているのが感じられて。楽屋もそうですし、全ての場所の隅々まで空気全てが重みがあるというか、肌感覚で包まれてる感じで、自分を全部さらけ出してお芝居ができる空間なんだなと思いました」


―浦井さんとすみれさんは子持ちの役ということで。特にすみれさんは23歳で初の子持ちの役ですが、どんな感覚ですか?
すみれ 「普通ですよね。」
浦井 「子役たちが慕ってくれてるっていうのはあるかもしれないですね。普段からのものが舞台に出てる感じがします」
すみれ 「仲良くなれて、裏では娘というよりは妹みたいな感覚になっちゃってるかもしれないんですけど、実際舞台に立ってお母さんにならなきゃとなったら、女性として、自然に「お母さん」になれるのかなと感じました」


―役作りとしてはそんなに苦労はしなかったということですか?
すみれ 「そうですね、子供がいるだけで「守らなきゃ、守らなきゃ」って思いますね」


―この舞台のキャッチコピー「愛する人に捧げるもの、それは己の命のみ―」にちなんで、実際に愛する人に命以外のものを捧げるとすれば何を捧げたいですか?
井上 「どうですか、さとしさん?(笑)」
橋本 「一生懸命生きて自分が輝いてる姿を見せて、それで刺激を与えあって、お互いを高めあっていく関係って素晴らしくない?死ぬとか命とかっていうよりも、生きるってことじゃないかなと思います。それが愛の形、強さというか・・・俺すごい恥ずかしいこと言ってない?(笑)」
井上 「大丈夫ですよ。そういう作品ですよ」
橋本 「それを期待して振ったわけじゃないでしょ?(笑)」
井上 「なんのボケもなかったですけど(笑)。僕もこの役をやってて、命も時間も全部捧げると思うんですけど、逆に命であっても愛する人に捧げることができるって何て幸せなんだろうなと思いますね。見方によっては犠牲になって命をあげたみたいに見えるかもしれないですけど、逆に考えたら愛する人に自分の命を使ってもらえるって何て幸せなんだろうって思いながら、自分の役をやってるんで。「喜んで捧げます」みたいな感じですかね、今は」
すみれ 「さっきの話に戻りますが、女性だと子孫を残すということですかね・・・難しい!」
橋本 「男にはできない捧げ方ですね。」
濱田 「言葉にするのはなかなか難しいですが、命を捧げる直前、死ぬまでの信頼関係というか、許しあうとか、さとしさんが言ったようなことなんですけど言葉で言うと「信頼」を捧げるかな、と思います」
浦井 「カンパニーのみんなと一緒で、本当に共同体としてみんなで「生きる」っていう方向で良いと思います」


―最後に井上さんから締めのコメントをお願いします。

井上 「『二都物語』いよいよ始まります。今月まで帝劇で『レ・ミゼラブル』をやっておりまして、映画もヒットして大いに盛り上がったんですけど、その勢いをそのままに、僕たちは日本人の手による、僕たちの感覚を反映させた『二都物語』を作ってます。昔の話ではありますけど、今生きてる1人1人の方に何かしら感じていただける作品になってると思いますので、暑い夏ではありますがぜひたくさんのことを感じに帝劇にいらっしゃってください。お待ちしております!」