満塁一掃打！虎・西岡、下克上ＣＳ→日本一へけん引

５回、二塁打を放つ阪神・西岡＝甲子園（撮影・岡田亮二）【拡大】

　阪神は過去２００７、０８、１０年とＣＳ進出も、すべてファーストステージで敗退。負の歴史にストップをかけられるのはこの男しかいない。ロッテ時代は３度ポストシーズンを経験。０５年に日本一、１０年もシーズン３位でＣＳに進出し「史上最大の下克上」で頂点までたどり着いた。

　首位巨人を僅差で追っていた７月の球宴前。ナイターの試合前、デーゲームでの巨人敗戦の報がクラブハウスに流れたとき、選手の中にフッと和らぐ雰囲気があった。だが西岡はそこに“違和感”を持ったという。「僕からしたら、そんなことはどうでもよかった。巨人が勝とうが負けようが僕らが勝てば、いい位置にいく」。途中経過の順位など、関係ない。最後に「１番」になることしか興味がない。そんな強烈な思いが、「下克上」を実現してきた。

　和田監督は「やっと（西岡）剛が風穴をあけてくれた。１カ月前まではああいう野球（八回一挙４点）をやっていた。ベンチもスタンドも、盛り上がる」と称えた。

　さあ、再発進。西岡は「いっぱいのファンに来てもらっている。やっている方も気合が入りますので必死のパッチで頑張ります！！」と誓った。“秋に弱い虎”を変える。必ずや、失望を味わわせたファンに夢を与えてみせる。（渡辺　洋次）

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