君が代斉唱:起立拒み減給の教諭「処分は無効」大阪府提訴
毎日新聞 2013年09月24日 21時10分(最終更新 09月24日 22時51分)
卒業式の君が代斉唱時に起立を拒み、減給処分を受けた大阪府立支援学校の教諭(56)が24日、府を相手取り、処分の取り消しなどを求めて大阪地裁に提訴した。教諭は、処分は違法で無効だと主張している。府教委によると、君が代の起立斉唱を義務付ける全国初の条例施行後、処分取り消しの訴訟が起こされたのは初めて。
教諭は奥野泰孝さん。2012年3月、勤務する学校の卒業式で君が代斉唱時に起立せず、府教委から戒告処分を受けた。翌年3月の卒業式でも起立せず、減給10分の1(1カ月)の処分になった。奥野さんは二つの処分について、府人事委員会に不服を申し立てている。
訴状で奥野さんは、君が代の起立斉唱を強制する職務命令は、憲法で保障された思想・良心の自由に反するなどと指摘。違法な命令に従う義務はなく、卒業式の進行にも支障はなかったとして、処分される理由はないとしている。
提訴後、記者会見した奥野さんは「『立ちなさい』と言ってくることを腹立たしく思う。やむにやまれず反対の声を上げた」と話した。
府教委は「詳細は把握していないが、処分については適切に対処している」とコメントした。【渋江千春】