君が代提訴:政治主導で斉唱徹底 教職員組合は反発
毎日新聞 2013年09月24日 21時15分(最終更新 09月24日 22時51分)
大阪府では橋下徹知事時代の2011年以降、政治主導で、教職員の君が代起立斉唱の徹底を図ってきた。
起立斉唱を義務付ける全国初の条例制定の契機となったのは同年4月の府立高入学式だった。27校の教員が起立斉唱しなかったことに橋下氏が激怒。これを受け、橋下氏が代表を務める大阪維新の会の府議団が、君が代起立条例を議員提案した。公明、自民、民主、共産は反対したが、維新の賛成多数で同年6月に成立した。
君が代起立条例には罰則規定がなく、後任の松井一郎知事が翌12年3月、君が代起立斉唱を念頭に「同一の職務命令に3回違反すれば分限免職の対象とする」と明記した職員基本条例を制定した。
府教委によると、君が代起立条例施行後、戒告処分となったのは41人。うち2人はその後も不起立を繰り返したなどとして減給処分も受けた。このうちの1人が奥野さんだ。これまで免職になったケースはない。
今月4日には府教委が、入学式や卒業式で教職員が起立斉唱しているかを管理職が目視で確認するよう各府立校に文書で通知。教職員組合は「人権侵害だ」と反発している。【深尾昭寛】