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事件
「だます目的はっきり」 安愚楽牧場被害者ら詐欺罪適用訴え
2013.9.25 00:34
病気療養を理由に債権者集会などを欠席していた安愚楽牧場元社長、三ケ尻久美子被告が約2年ぶりに公の場に姿を現した。特定商品預託法違反罪の起訴内容を全面的に認め、終始神妙な面持ちで審理に臨んだが、4200億円を超える過去最大級の投資被害事件に巻き込まれた出資者らは「審理を通じ、われわれをだます目的だったことがはっきりした」と強調。より刑罰の重い詐欺罪の適用を求める声が上がった。
三ケ尻被告は上下灰色のスエット、青色のサンダル姿で出廷。かつて豪華なドレスに身を包み、主催パーティーで和牛商法の魅力を力説した面影はなかった。
警視庁は詐欺罪での立件を見送ったが、証拠調べでは三ケ尻被告が「今さら牛がいないんじゃ困るのよ」と語気を強め、牛の保有頭数の偽装工作を進めたとする職員の供述調書も明らかに。違法性を認識しながら虚偽の説明を行っていた実態が浮き彫りになった。
出資者で構成される「あぐら被害者の会」は傍聴後、初公判までに詐欺罪で立件されなかったことに対する抗議文を東京地検に提出。東京・霞が関の司法記者クラブで会見した被害弁護団長の紀藤正樹弁護士は「検察側の冒頭陳述で指摘された内容は詐欺そのもの。犯行の計画性の高さが裏付けられた」と述べた。
家族で計4千万円を出資したという東京都足立区のフリーライターの男性(49)は「加害者が詐欺できちんと罰せられることもなく、被害者だけが『自業自得だ』と責められるのは納得がいかない」と憤りをあらわにした。
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