公約だったCS出場を逃し、中畑監督はベンチで厳しい表情を浮かべた (撮影・岡田亮二)【拡大】
固い意思の表れだった。阪神戦に敗れた直後、ロッカールームから出てきた中畑監督から“生気”が消えていた。青ざめた顔の指揮官は報道陣からCS進出が消滅した事実を問われると、こう切り出した。
「いつかは(Bクラス決定が)来ると思っていた。私を含めチームの力全体が及ばなかった」。さらに、重々しく語り始めたのは、自らの責任問題だった。
「私の中で決意を持ってシーズンに臨んできた。やるべきことの責任を最後までまっとうし、その後は考えられない。昨年の最後にそういう(CSの)話をして、決意は変わっていない」と辞任を示唆した。
男としてのケジメだった。昨年10月8日、横浜スタジアムでの本拠地最終戦で広島に敗れた後、満員の観衆の前で指揮官は声を張り上げた。「来年はみなさんとともにCSに行きましょう。それができなければ、私はクビです」。親会社がDeNAとなり、監督に就任した1年目。チームは46勝85敗13分けの借金39で5位阪神に9・5ゲーム差をつけられた。選手だけではなく、ファンに向けて発した強烈なメッセージは自分への発奮材料の意味も含まれていた。