欧州債が上昇、ECB当局者が追加策示唆-英国債も高い
9月24日(ブルームバーグ):24日の欧州債市場では、ユーロ圏諸国の国債が上昇した。欧州中央銀行(ECB)当局者が借り入れコストの低位維持に向けて銀行への追加融資提供に含みを持たせたことが背景にある。
ドイツ10年債 は続伸。ECB政策委メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁が新たな長期リファインナンスオペ(LTRO)が必要かどうかを協議すると発言。クーレECB理事はどのような政策手段を採用するのが適切かについて具体的な議論はないとしたものの、協議の可能性は開かれていると語った。
イタリア10年債 は7営業日続伸し、同利回りは5週間ぶり低水準となった。ドイツのIfo経済研究所が発表した9月の独景況感指数がエコノミスト予想ほど改善しなかったことも、ドイツ債への支援材料となった。
ダンスケ銀行(コペンハーゲン)の債券トレーダー、マルティン・ムンクスガルト氏は「政策担当者らが景気支援に向けて追加策を講じる姿勢をあらためて表明するとの観測が、欧州債の支援材料となっている」とし、「Ifo発表のデータは依然として堅調だったものの、市場予想を下回った」と語った。
ロンドン時間午後4時11分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.85%。これは先月30日以来の低水準。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格は0.575上げ101.31。イタリア10年債利回りは4bp下げ4.22%。一時は4.20%と、8月16日以来の低水準となった。
ECBのドラギ総裁は前日の欧州議会での証言で、「短期金融市場を中期的なインフレに関する当中銀の判断に照らして妥当な状態に保つために必要ならば、新たなLTROを含めいかなる手段も活用する用意がある」と言明した。
英国債英国債市場では10年債相場が続伸し、利回りは3週間ぶり低水準となった。イングランド銀行(英中銀)当局者が早急な政策引き締めを期待するべきではないと発言したことが手掛かり。
ロンドン時間午後4時19分現在、同利回りは10bp低下の2.81%。先月30日以来の低水準となる2.80%まで下げる場面もあった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.835上げ95.165。
金融政策委員会(MPC)のデービッド・マイルズ委員はこの日の講演で、失業率の低下ペースについて投資家は楽観的過ぎると指摘し、早急な金融引き締めを考えるのは見当違いだと語った。
原題:European Bonds Rise as ECB Speakers Say More StimulusPossible (抜粋)U.K. Gilts Advance as BOE Officials Rule Out Imminent Tightening(抜粋)
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更新日時: 2013/09/25 02:46 JST