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メルケル氏勝利―ユーロ強化へ指導力を

ドイツの総選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(同盟)が大勝した。単独過半数には届かなかったが、メルケル政権は17年まで3期12年に及ぶ見通しだ。これまで[記事全文]

反差別デモ―ふつうの感覚を大切に

3連休の中日の東京・新宿周辺。在日韓国・朝鮮人らを罵倒する街頭行動が繰り広げられてきた新大久保などで、差別撤廃を求めるデモ行進があった。特定の人種や民族への憎悪をあおり[記事全文]

メルケル氏勝利―ユーロ強化へ指導力を

 ドイツの総選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(同盟)が大勝した。

 単独過半数には届かなかったが、メルケル政権は17年まで3期12年に及ぶ見通しだ。これまで連立を組んできた自由民主党が議席を失い、第2党の社会民主党と大連立を組む公算が大きくなっている。

 メルケル氏は国民からの信任をテコに、連立協議を早くまとめ、ギリシャ支援やユーロ再建に指導力を発揮してほしい。

 沈滞する欧州で一頭地を抜く経済力を誇るドイツは、ユーロ問題のカギを握る。

 欧州諸国はむろん、世界がこの選挙に注目したのは、ユーロ再建や南欧支援に、首相がどのような姿勢を示し、ドイツの有権者がどんな判断を下すのか、見定めたかったからだ。

 ところが選挙戦では、堅調な国内経済を追い風に現状維持を望む空気が強く、ユーロ問題は後景に退いた。国民負担もありうる南欧支援などユーロの厳しい現実は封印され、選挙後に先送りされた。

 危機対応で慎重さを崩さず、世界をやきもきさせたメルケル氏の姿勢が変わるかどうか、微妙なままだ。

 ただ、新たな連立対象となる社会民主党も、緑の党も、同盟よりユーロ再建には前向きだ。自民党が南欧支援に否定的だったのに比べれば、ドイツ政治の軸足がユーロ重視の方へ動く可能性がある。

 一方、反ユーロを掲げた新党「ドイツのための選択肢」は議席こそ逃したものの、それなりの存在感を示した。政権は反ユーロの火種にも引き続き目配りを強いられそうだ。

 ユーロ危機は1年前に欧州中央銀行が国債買い入れ方針を表明して以来、落ち着いている。しかし、火元のギリシャでは緊縮財政が行き詰まり、3度目の支援が避けられない情勢だ。

 今後、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中銀による協議が本格化する。ギリシャの疲弊ぶりを考えると、EU諸国の政府が持つ対ギリシャ債権の減免など納税者負担に結びつく対策を迫られる可能性もある。

 戦後ドイツでは、長期政権で政治的求心力を高めた首相が歴史的な改革に取り組んできた。西ドイツのアデナウアー初代首相は在任14年。東西ドイツ統一を成し遂げたコール元首相は16年。メルケル氏が任期を全うすれば2人に次ぐ。

 欧州の新時代を築く礎にメルケルの時代を刻めるか、真価が問われる。

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反差別デモ―ふつうの感覚を大切に

 3連休の中日の東京・新宿周辺。在日韓国・朝鮮人らを罵倒する街頭行動が繰り広げられてきた新大久保などで、差別撤廃を求めるデモ行進があった。

 特定の人種や民族への憎悪をあおりたてる差別的表現は「ヘイトスピーチ」と呼ばれる。

 これらの動きに反対する人々が「東京大行進」と題して集まり、「一緒に生きよう」と呼びかけながら練り歩いた。沿道からの飛び入りも加わり、参加者は約1200人にのぼった。

 反ヘイトスピーチだけではなく、障害者や同性愛者への差別撤廃なども訴えた。大阪で7月、「仲良くしようぜ」と呼びかける動きがあり、これが東京大行進につながった。

 「殺せ」「レイプしろ」と叫ぶヘイトスピーチは醜い。

 日本は人種差別撤廃条約に加盟しており、条約はヘイトスピーチを禁じる法整備を求める。そのため、日本でも立法を急ぐべきだとの指摘が出る一方で、表現の自由が脅かされることを懸念して慎重論も根強い。

 処罰法のあるなしにかかわらず、市民の側から自主的に、外国人排斥の主張に反対する動きが出てきた。それは健全なことであり、支持する。

 ヘイトスピーチの現場では、差別する側と反対派による乱闘騒ぎがたびたび起きている。暴力を肯定する声は、差別行為を阻止したい側にもある。だが、法を守ってこそ行動の説得力は増すのである。

 韓国では、ヘイトスピーチは日本社会の右傾化の象徴と受け止められている。しかし多くの日本人は、隣国とむやみにことを構えたいとは思っていないはずだ。在日コリアンを排除しようなどという考えは、一般の市民感覚からはかけ離れている。

 ただ、気になる動きが続く。先週末、「日韓交流おまつり」の開会式に安倍首相の妻の昭恵さんが出席し、フェイスブックに投稿したところ、首相夫人としての行動を疑問視するような批判が相次いだ。

 開会式ではビビンバが混ぜ合わされ、鏡割りが披露されただけ。市民中心の交流会だった。

 昭恵さんは「色々なご意見がおありだと思いますが、お隣の国ですので、仲良くしていきたい」とだけ書き加えた。もちろん好意的な意見や「いいね!」も多く寄せられている。

 冷え切った政治の関係が、市民同士の感情に影響し始め、ふつうだったことが、ふつうでなくなりつつある。隣人とのいがみ合いが絶えないほど居心地の悪いものはない。ふつうの感覚を大切にしたい。

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