精神医療の真実  聞かせてください、あなたの体験

精神医療についていろいろ調べているフリ―ライター。日々、憤りを感じたニュースや出来事を書き連ねています。
およそ非科学的な精神医療という世界。
実際に、精神科医、処方薬によって被害を被った方、どうぞ声を挙げてください。


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 50代の男性(HN、コロさん)から、相談のメールをいただきましたので、公開して、情報を募りたいと思います。

 コロさんは現在、向精神薬断薬後に現れたセネストパチー(体感幻覚)に苦しんでいます。しかし、この診断も「たぶんそうだろう」といった程度のものです。セネストパチーというと、口腔内セネストパチーが多いようですが、コロさんの症状はそうではありません。(背中の体感幻覚)。

 まずはコロさんからメールを紹介します。



上司との関係から

「事の発端は2006年12月です。私は当時○○○という大手メーカーに勤めており、会社の人事異動である大学の研究所の研究部長として出向となりました。それまでは、△△(コロさんのこと)に任せておけば大丈夫という仕事の任され方をしており、私の仕事に口をはさむ上司はいませんでした。

ところが、出向先の研究所長が非常に口うるさい人で、仕事の進め方に過去経験したことのない干渉を受け続け、出向から半年ほどしたころ、朝まったく起きられないようになってしまいました。後で聞いた話ですが、この研究所長の部下になった人は何人もうつ病を発症していたそうです。

私の事をひどく心配した妻が、家の近くに心療内科を見つけ出し、私は妻に言われるがままに行きました。医者に経緯を5分ほど説明すると、医者は精神薬の一覧のような物を私に見せて、「どの薬がいいですか?」と薄ら笑みを浮かべました。

何がいいのかわからなかったので、結局、医者の薦めるがままにトフラニール50mg(1日3回)とデパス(1日1回)を飲み始めました。

薬を飲み始めると、気分が良くなるどころか眠気がよけいにがひどくなって、3日3晩寝続けてもまだまだ寝られるような状態に陥ってしまいました。

医者からは不安性のうつ病という診断書をもらい、研究所には3週間の休暇を申し出ました。毎日死んだように寝続けて、1週間ほど経った日に、出向元である○○○の上司から電話があり、「3週間の休暇を申し出ているようだが、少しでも良くなったらすぐにでも出勤するように」と指示され、もうろうとしている私はただ「はい」と答えるしかありませんでした。

2週間休んでほんの少しましになったので、私は無理やり出勤することにしました。そんな状態での出勤だったので、まともに勤められるはずもなく、月に3~4日休むといった状態が9カ月ほど続きました。



退職に追い込まれる

そういう状況をみかねた2008年5月に、私は出向元に戻され、本部長付というまったく仕事のないポストで「無理をしなくてもいいから」と飼い殺しの状態におかれました。更にその年の秋に発生したリーマンショックの影響で、会社は3割の人件費削減を打ち出し、私はその対象とされ、2009年7月に希望退職させられました。後になって他の会社のうつ病の社員に対する対処法を聞いてみると、○○○の扱いが如何に遅れているかを知るに至り、怒りを禁じえませんでした。

この間も生真面目な私は、ずっとトフラニールとデパスを飲み続けており、常に体がだるい状態と眠気を感じており、妻に言わせるといつも不機嫌だったという毎日でした。

リーマンショック後の中途採用の環境は劣悪で、50才になろうとする私を採用しようとする企業は見つかりませんでした。そこで妻を無理やり口説いて、昔から家族全員の趣味だったテニスのお店を経営することにしました。



いつまでたっても良くならないどころか悪化の一途

開店してしばらくは上手くいっていたのですが、半年もすると赤字続きに陥り、何をやっても上手くいかないことから、妻に暴力をふるうまでになっていました。

そこで妻は掛かりつけの心療内科に「うつ病なのに、攻撃的になるのは診断と処方が間違っているのでは」と相談に行きましたが、医者は「治って来ている兆候です」などと訳の分からない説明をして、まともに請合ってくれなかったそうです。

そこで妻は独学で私の症状が「不定形うつ病」ではと考え、不定形うつに詳しいクリニックに私を連れていきました。そこでも5分程度の診療で、結局、処方は以下のように激増してしまいました。

トフラニール25mg・ロナセン2mg・デパケン200mg(各1日3回)

メデタックス2mg・マイスリー10mg(各1日1回)


それらの薬を服用するようになってからは、体のだるさと眠気が倍増してしまい、寝てばかりで、店のことはほとんど妻にまかせきりとなってしまいました。

2011年3月に発生した東日本大震災がきっかけで、結局店は6月に経営破たん。それからは妻の夜勤のパートで養ってもらいながら、私は中古車関連の仕事をはじめました。



一大決心で、断薬に踏み切る

幸い、2012年春頃に良いビジネスパートナーと出会い、収入的にも目処がたってきたので、はじめて断薬する決心をしました。そして、徐々に薬を減らして、およそ半年後の2012年9月に完全断薬に至りました。

断薬をしてまず感じたことは、向精神薬を飲み続けていた5年の間、常に感じていた体のだるさやひどい眠気が一切なくなり、なんと晴れ晴れとした気分になったかということです。

一日12時間以上寝ていた睡眠時間も、5~6時間で済むようになりましたし、なにより変わったのはイライラを全く感じないようになったことです。妻からは人が変わったみたいで、気持ち悪いくらいだと言われる始末です。こうした変化を実感したことにより、如何に向精神薬が体に悪影響もたらす薬なのだったのかと、つくづく感じることが出来ました。



断薬後一か月、離脱症状が

そうしたら10月頃より次から次へと変な症状が出始めました。代表的な症状としては、強烈な倦怠感・逆流性食道炎・腹痛・足腰のしびれ・極端な体重減少・唾液の噴出・聴覚過敏などです。色々な医者に行きましたがどこも、原因不明でストレス性のものだと言われ続けました。

(受診したどこの病院も、検査結果に異常はみられず、コロさんはまったく相手にされなかったといいます。そこでこのブログを含めてネットで情報を集めるうちに離脱症状だと確信。そこで、離脱症状に明るいと思われるクリニックを受診したところ、「なぜ私が、向精神薬の怖さを理解せず勝手に断薬に至ったあなたの尻拭いしなければいけないのか」と説教されておしまい。あるいは、ベンゾ系離脱症状の怖さをHPに書いていたある内科を受診すると、元々飲んでいた薬を処方されるだけだったので、診療を途中で断って帰ってきたといいます)。 



背中の体感幻覚

それでも、ひたすら耐えているうちに、2013年1月、これらの症状はやっと治まってきました。しかし、それと時を同じくして、今度は背中が外傷もないのに針に刺されたような、つねられているような、たわしでひっかかれているような痛みに襲われるようになり、5月には頭の左半分が引きつって、脈動するような状態になってしまいました。

いろいろな医療機関で診察してもらった結果、先日東大病院の精神科で「長年向精神薬を飲み続けたことによる、遅発性ジストニアのようなセネストパチー(体感幻覚)だろう」との診断でした。

ところがセネストパチーには特効薬が見つかっておらず、いろんな薬を試行錯誤するしかなく、東大病院では治療が出来ないので、町のクリニックで診察してもらってほしいと体よく断られてしまいました。

そこでお願いなのですが、治療も含めて、向精神薬の後遺症によるセネストパチー(しかし、セネストパチーかどうかの確証はありませんが)、同様の経験をされた方のお話をうかがってみたいのです。その他、何か情報があれば、どうかよろしくお願いいたします。



セネストパチーについて

 以上がコロさんからのメールです。

インターネットでセネスパチーの症状を調べると、口腔内の感覚のほか、例えば「脳みそが溶けそう」とか「血管の中を虫が這い回っている」などの記載があります。しかし、コロさんの場合は、「背中がたわしでひっかかれているような痛みや、頭の左半分が引きつって脈動するような状態」ということですので、この症状を本当にセネストパチーと受け取っていいのかどうか。コロさんの印象では、東大を含む何件かの病院では、他に適当な病名がないためセネストパチーと診断されたような気がするとのことです。

また、セネストパチーの背後に精神障害(統合失調症や強迫性障害など)があるケースが多いとの記述も見かけますが、コロさんはそれはないと確信しているといいます。

以前、セネストパチーの治療として、あるクリニックでランドセンの処方をしてもらい、2カ月程度服用したそうですが、良く寝られるようになったこと以外あまり効果はなく、現在は服用していないということです。

さらに、ある医師からは、抗うつ薬や抗不安薬の服用を薦められましたが、もう薬に戻りたくないので、その医者に通うのをやめたと言います。

また、鍼灸や漢方も2か月ほど試してみましたが、効果がなかったそうです。

ネットで、セネストパチー(体感幻覚)の治療をしてくれるところを検索すると、いくつかヒットしますが、どこも結局、向精神薬での治療です。

断薬後の症状としてのセネストパチー(というか、コロさんのような症状)も離脱症状の一つではないか、とも思います。以前、遷延性の離脱症状として、セネストパチーを訴えていた方がいました。しかし、そうした例は多くはありません。

コロさんのように、断薬後の症状として同様の症状を体験された方はいないでしょうか。また、こうした症状で、薬に頼らない治療法などありましたら、ぜひ情報をお願いしたいと思います。