3. 韓国・北朝鮮問題に対する日本の姿勢
(1)朝鮮総連との忌まわしい関係
日本は今後のために、具体的に韓国の変動に対処する案を検討する前に、今までの朝鮮半島対策のすべてを掘り返して真剣にその実態を検討し、それをベースに対処戦略を検討しなければならない。
韓国問題は北朝鮮問題と一体であると考え、まず過去の対北朝鮮および韓国への対処の実情を、すべて明らかにしなければ、単なる思いこみに終わる。
ここでそれらすべての案件を書き並べれば、数十頁になってしまうだろうから、ここでは「朝鮮総連」への対処の実態を主体に数件に絞ることとする。
韓国から入手した南北問題研究所発出の資料によれば、朝鮮総連を通じて韓国にも、今日の自由評論社の理念に基づき、国家情報院在日朝鮮人総連合(朝鮮総連)が主体となって、パチンコの収入を主体に、日本から北朝鮮だけに資金が流れ込んでいると考えられていた。
しかし1980年以降は、北朝鮮だけでなく、韓国に対しても北朝鮮指向の有能な若者を手なずけるのために、毎年平均で2400億の巨額の資金が流れ込んでいっていた。その金額のほとんどは、北朝鮮に忠誠を誓う大学生の援助資金に使われ、その総額は今日までに約2兆ウォンに達していると言われている。
朝鮮総連の対南工作は、その後さらに活発化し、金日成の主体思想を徹底的に信奉する赤色分子の活動により、韓国内の各界各方面に拡大していっている。総連の本拠地日本では、近年その勢力が次第に弱化しつつあるのに反し、彼らの工作対象である韓国では、当該組織の影響を受けている若者が増えている、という望ましからざる実態にある。
組織の頂点は人民軍の最高司令官で、現在は金正日から金正恩にバトンタッチされているから、金正恩である。彼は金正日が生存していた時期に、この組織を傘下の関連組織を構成するのに活用するよう命令されていた。
これによって朝鮮総連は、中央および傘下の1組ごとに3~7人で構成される学習組1000個、約5000人を組織している。北朝鮮は例えば、2009年7月労働党225局によって、朝鮮総連中央本部が、その年の日本の総選挙に勝利を期待した民主党に、多額の資金とともに攻略指令が出されていたという。
過去において総連は、支配強化のために6・15共同宣言と、10・4宣言を行い総会を10月16日に盛況理に開催した。
総選挙当日、日本では予想通りの異変が起こり、55年体制と言われていた自民・公明体制が敗北し政治運営に未知な「民主党新政権」の確立が援助され、中国・韓国・北朝鮮との国交正常化を後押しする社会世論を喚起させていくことが奨励され、一応の任務を達成した。
具体的には自民党麻生太郎政権の下で、朝鮮総連は再入国の規制、総連関連施設の固定資産税免除の廃止、輸出入の全面禁止などの制裁処置を受けていたのに対し、強く反対する行動を取ったが、現実にはそれぞれの規制の有無にかかわらず活動し続けてきたのであった。
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