■慎重な発言のドコモ加藤社長
20日朝のiPhone発売イベントに姿を現したドコモの加藤薫社長。米国時間10日(日本時間11日)にiPhone販売への参入を正式表明して以来、報道陣の前に初めて姿を現した。
イベント後の会見では「最高のネットワークとサービスをiPhoneでお使いいただき、ドコモワールドを楽しんでいただきたい」と晴れやかな顔で語っていた。
しかし、いつもの軽妙な「加藤節」が聞けたのはここまで。質疑応答では威勢の良さが封印され、無難な受け答えに終始した。
「(通期の販売計画見直しについて)現在検討しているが、どのような動きがあるかを注意深く見守り、必要な修正をしていきたい」
「(番号持ち運び制度=MNPの巻き返しについて)結果として結果が出れば一番うれしいが、まずは(3社から)選んでいただけるようになったことをうれしく思う」
ここ2年ほど大幅な転出超が続くドコモにとって、iPhone参入は劣勢を跳ね返す大きなチャンスとなる。しかし同社自身、今回のiPhone5s/5cでは追い風の強さがどの程度か測りかねているようだ。
13日から行っていた同社のiPhone5c予約では、予定していた3万台が未達となっており、強気の意気込みを語るのがはばかられる状況とも考えられる。
■沈黙の孫社長
ドコモだけではない。ソフトバンクの孫正義社長は、毎年欠かさず訪れていたアップルのiPhone発表会を今回初めて欠席。20日の発売イベントにも姿を見せなかった。
同日の発売イベントに代理出席した宮内謙副社長は「(買収した)米スプリント・ネクステルの月1回の会議に出席している。予定が前から決まっており変更できなかった」と釈明するが、孫社長はツイッターの書き込みまでこの3週間ほど止まったままだ。過去のiPhoneに対する孫社長の入れ込みように比べて、あまりに落差が大きい。
一方、同社は30日に米グーグルの携帯機器向けOS「アンドロイド」を搭載したスマホの新製品発表会を開催し、これには従来通り孫社長が登壇すると発表している。
2008年に国内で初めてiPhoneの取り扱いを始め、以来iPhone販売を成長の原動力としてきたソフトバンク。KDDIに続きドコモが参入し3社体制となった今、iPhoneさえ売りまくれば成長できた時代は過去のものになりつつあり、同社のiPhone依存度の高さは潜在的な経営リスクとなりうる。沈黙の中で孫社長は、ポストiPhone時代の戦略を熟考しているのかもしれない。
(電子報道部 金子寛人)
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