エントリ

 筋弛緩剤事件の守被告の自白について、外野から少し意見を述べてみます。
 守被告(正確には被告人ですが、ここでは被告といいます)は、逮捕当初の三日間自白を維持し、その後否認に転じたと報道されています。

 そこでまず、逮捕後の三日間に何が行われるかを簡単に説明します。

 警察は、被疑者を逮捕したら直ちに犯罪事実の要旨(守被告の場合は、11歳の女児に筋弛緩剤を投与したという殺人未遂の事実)を被疑者に告げなければなりません。
 そして、48時間以内に身柄を検察官に送致しなければなりません。(ここまで刑訴法第203条)
 警察は、この48時間以内の間に、被疑者を取調べて被疑者の言い分を聞きます。

 警察から送致を受けた検察官も直ちに被疑者に犯罪事実の要旨を告げて、被疑者の言い分を聞きます。
 そして、検察官は24時間以内に勾留するかどうかを判断して、勾留するとなると裁判官に勾留を請求します。(ここまで刑訴法第205条)

 勾留請求を受けた裁判官は、検察官と同様に、被疑者に犯罪事実の要旨を告げて、被疑者の言い分を聞いた上で、勾留するかどうかを決めます。

 弁護人は、この間、被疑者に接見することができるわけで、本件では送検前に弁護士が接見していると思われます。
 弁護士の接見の時期は重要ですが、逮捕後の三日間に限っていえば、送検後は弁護士が接見する時間的余裕がなかっ

(管理人から)
 何らかの手違いでエントリのデータが途中から消滅したようです。

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「きちんと罪を認め、罪を償うのが本来の姿。そのように導くのが弁護団の役目。」 守君から筋弛緩剤を投与されたとして、闘病中の娘を持つ母親はそう語った。... 続きを読む

コメント(44)

こんにちは。
この事件について論評するならば、もうすこにまともな時系列を記録している他のHPを参照した方が良いと思いますよ。

スパイラルドラゴン さん
 コメントありがとうございます。
 客観性のあるHPを教えていただけますと助かります。
 私としましては、判決の当否を念頭においていますので、法廷にあらわれた自白状況として、新聞記者の法廷傍聴記録と認められるsahi.comの記事を参考にさせていただきました。

こんばんは、拙い日記にコメントいただいて有難うございます。
こちらほど詳しく調べていないのでお恥ずかしい限りですが・・・

りんご1010s さん
 りんごにっき。の管理人さんですね。
 コメントありがとうございます。

 りんご1010s さんのブログには、とても素直な感想が述べられていて、特に

>真実が見えるわけでない人間が、ひとの罪を量らなければならないから、裁判って本当に難しい・・・

というところは、私自身も常々感じていたところです。
 これから裁判員制度も始まりますので、一人ひとりが否応なしに裁判というものを考えていかなければならないようです。

 身柄不拘束中の自白、身柄拘束後早期の自白は信用性(任意性)が高いというのは、たしかにそう言えそうですが、ただ、八海事件などのように逮捕当日に自白があっても無罪となった事例もあるので、なかなか難しいですね。

 エントリー中で紹介されている朝日新聞の記事(第119回公判)では、1月6日朝任意同行、同日逮捕、1月7日送検・勾留請求、裁判官による勾留質問、勾留決定、1月9日弁護人接見となっています。記事記載以外に弁護人接見がなかったとするならば、守被告は身柄拘束前に弁護士と接触していなかったのではないかと推測します(もし事前に弁護士に相談していれば、逮捕から勾留請求までにその弁護士との接見を求めるのが自然です)。勾留決定後の9日まで弁護人による接見がなかったとするならば、身柄拘束前に弁護人からアドバイスを受けてはおらず、裁判官の勾留質問がどのようなものかについて、よくわかっていなかったのではないかと思われます。実際、警察や検察の行なう弁解録取と裁判官の行なう勾留質問の区別がついていない被疑者はけっこういます。

 結局本件は、被告人の自白を判断材料に入れないで、その他の証拠で有罪心証が形成できるかどうかでみるより他にないのではないかと思います。

突然失礼します。この筋弛緩剤事件には、控訴審判決の直後より興味を持った者です(長くてすみません)。

>被告が警察官だけでなく、検察官や弁護士、裁判官にも容疑を認めた

これは、前科のない一般人にとっては、むしろ自然な在り方ではないでしょうか。私などもたぶん、逮捕されればそのように感じると思いますが、要するに警察も検察も裁判官も、私たちには「似たようなもの」だからです。この人は検察だからこう言えばいい、裁判官だからこう言えば…といった区別のつく人は、あまりいないと思います(と書いていたら、前のコメントの方も同じ内容のことを書かれていました)。

また、偽りの自白をした人が、常に最初から弁護士だけには「やってない」と真実を言うわけでもないのでは。偽りの自白をする人は、ある意味「絶望しているのだ」という理解が、司法に携わる人には足りないように思えるのですが…。

>色々と調べてくれれば、真実はわかってもらえると思った

そのように考えるのは「警察が(やったと決め付けるばかりで)何も調べてくれないから」です。たとえば「守谷駅痴漢冤罪事件の記録(http://enzai.xrea.jp/)」の場合には、アリバイのことをどんなに告げても、警察はまったく調べてくれなかったそうです。

これでは埒があかないというので「ここはひとまず認めておいて、次のステップに進んで、そこで調べてもらおう(そうすればやってないことがわかって、家に帰れる)」と考えるわけです(この痴漢の誤認逮捕のケースは、そうではありませんでしたが)。普段から犯罪者でない人々は、それほど「御上はそんな間違いはしない、きっと調べればわかってくれるはずだ」と信じているのです。

前のエントリーで、いいかげんだと書かれていた週刊ポストの記事、私には、偽りの自白に陥ってゆく際の、被告と刑事とのやりとり(http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/sendai8.html)など、まさに冤罪のレシピそのもののように思えました。「自白の心理学」「冤罪の構図」といった本に書かれてあるケースと同じだからです。

an_accusedさん
 守被告の1月9日の弁護士接見では、守被告自身が「1月9日、弁護士と接見し、犯行の状況を尋ねられたが、説明できなかった。弁護士とのやりとりの中で、「僕はやっていません」と言うことができた。」とのことですから、この接見においては守被告は否認したと見るべきだと思います。
 そうすると、弁護士に対しても認めたというのは何時のことかが問題になるわけですが、これは逮捕後から9日の弁護士接見の前に別の弁護士接見があり、そのときには守被告は筋弛緩剤混入の事実を認めていると考えられます。
 このことは、asahi.comの121回公判の記事から読み取れます。
 つまり、私は、9日の弁護士接見以前に、弁護士接見が少なくとも1回存在し、守被告はそのときに筋弛緩剤混入を弁護士にも認めた、と考えています。

 もっともこの問題は、公判をきちんと傍聴していた人(弁護人を含む)から話を聞けば分かるのですが、報道から推測するとそうなるわけです。

 ところで119回公判の記事を読み直してみましたが、送検が1月7日であることは読み取れますが、勾留質問も7日であったかどうかは明確ではありません。
 送検の時間帯によっては勾留質問が翌日になることもあります。

 弁護士接見が勾留質問の前か後かは想像でものを言ってても仕方がないところがありますが、いずれにしても、弁護士にも裁判官にも認めているという事実があるならば、裁判所としては自白の任意性と信用性を認めてしまうだろうと思います。

どんぶる さん
 コメントありがとうございます。
 最近の私は、検察の代理人みたいなことばっかり言っているようですが、こんな見方もありますよ、程度に読んでください。
 
>>被告が警察官だけでなく、検察官や弁護士、裁判官にも容疑を認めた
>これは、前科のない一般人にとっては、むしろ自然な在り方ではないでしょうか。

 私はすでに一般人ではないと思いますが、一般人であったころのことを思いだし、また私が接した一般人の方の話に基づきますと、警察官と検察官はほとんど区別が付かないと思いますが、裁判官は「公正な判断者」というイメージだと思います。
 虚偽自白をした人が、「後で裁判官に本当のことを言えばわかってもらえると思った。」と言うことが多いことがそれを裏付けています。
 弁護士は明らかに警察官や検察官とは違う立場の人(警察官や検察官を敵に回して自分を守ってくれる人)と認識されていると思います。

>この人は検察だからこう言えばいい、裁判官だからこう言えば…といった区別のつく人は、あまりいないと思います

 今回の問題は、複雑な問題でも言い回しの問題でもありません。
 自分(守被告)が筋弛緩剤を患者に投与したかどうか、という単純なことです。
 やったならば「やった」、やってないならば「やってない」と答えるべき問題です。
 話す相手の区別の問題じゃないと思いますが。
 どういう立場の人にも同じことを言ったのであれば、それは全て真実か全て嘘かのどっちかでしょう。
 だから、弁護士や裁判官に嘘をつく理由があるのかどうかが問題になるわけです。
 立場の違いを前提にしての話ですが。

>また、偽りの自白をした人が、常に最初から弁護士だけには「やってない」と真実を言うわけでもないのでは。偽りの自白をする人は、ある意味「絶望しているのだ」という理解

 私が言いたいのは、弁護士にも裁判官にも本当のことを言えないほど絶望するには、ちょっと早過ぎはしませんか、ということです。
 そこまで絶望する根拠・理由が見あたりません。

>>色々と調べてくれれば、真実はわかってもらえると思った

 報道によれば、
「刑事に何度も怒鳴られ、刑事の言うこと(患者への筋弛緩剤投与)を認めれば家に帰れると思った。色々と調べてくれれば、真実はわかってもらえると思った」
ということですね。
 しかし、この供述は矛盾してます。
 論理的にというより感覚的に矛盾してます。
 「色々と調べてくれれば、真実はわかってもらえると思った」というのは警察に対する信頼を前提にする話ですが、自分の言うことを聞いてくれず、無理矢理虚偽自白を求めてくる警察をどうして信頼できるのか理解できません。
 「警察は言うことを聞いてくれないが、裁判官なら聞いてくれると思った。」というなら理解できます。

>これでは埒があかないというので「ここはひとまず認めておいて、次のステップに進んで、そこで調べてもらおう(そうすればやってないことがわかって、家に帰れる)」と考えるわけです

 申し訳ありませんが、これは少なくとも裁判官一般(本件の担当裁判官だけでなくたいていの裁判官はという意味)の理解を得られる話ではありません。
 守被告は、任意同行以前に自分が殺人や殺人未遂の犯人として疑われていることを十分認識していたはずです。
 そのような人間がそんな甘い考えを持つなどとは到底信用されません。

>冤罪のレシピ
 ご指摘のような取調べ状況(守被告の手記による)は、既に半落ち状態になってからの取調べです。
 半落ち状態に至る経過を見てみないと自白強要と言っていいかどうかわかりません。

 どんぶるさんのご主張を説得力あらしめるためには、守被告の性格立証が必要です。
 つまり、守被告は、警察に対する信頼が厚く、気が小さく、気が弱く、かなり迎合的な性格である、という立証が前提になります。

 そのような立証がなされていたのでしょうか。
 またその立証は成功しているのでしょうか。

単なる感想レベルですが、
守被告自身の手記による取り調べの経緯が仮にそのとおりだとしても、
「絶対に自分だとバレないという確信(あるいは希薄な罪の意識)の下に手を下した犯人の、否認→自白→否認に至る経緯」
として読んでも矛盾しないんじゃないか、という印象を受けました。

もちろん、もし「そのとおり」だとしたら、警察・検察の取り調べは明らかに不当だと思いますが。

私も「自白の心理学」は読みましたが、
「やってもいないことをやったと話してしまう」のと同様に、
「やったことをやっていないと思い込む」という自己暗示・自己欺瞞にも簡単に陥るのが人間なのではないかと思います。

そういう意味で、私も、an_accusedさんの

> 結局本件は、被告人の自白を判断材料に入れないで、その他の証拠で有罪心証が形成できるかどうかでみるより他にないのではないかと思います。

とのご意見に賛成です。
(というかきちんと本件について調べていないので「私見」を述べる資格がない^^;)

fuka_fuka さん
 コメントありがとうございます。
 あまりあからさまに言うと問題かな、と思って書くのを控えていたことなのですが、

>「やったことをやっていないと思い込む」という自己暗示・自己欺瞞にも簡単に陥るのが人間なのではないかと思います。

 これは私もいわゆる禿同なのです。

 否認公判で、最初は遠慮がちに否認していた被告人が、審理が進むにつれて、どんどん自信をもってきて、最後は確信に充ち満ちて否認するという公判を何件か見ています。

ところで

>> 結局本件は、被告人の自白を判断材料に入れないで、その他の証拠で有罪心証が形成できるかどうかでみるより他にないのではないかと思います。

というご意見についてですが、本件では、最初の三日間の自白がなかったら、有罪心証は取れても、証拠上有罪判決は難しかったのではないかと憶測しています。

>警察に対する信頼が厚く、気が小さく、気が弱く、かなり迎合的な性格である、という立証が前提

被告の父親は警察官なので、警察に対する信頼は厚いでしょう。准看護士という職業柄、医者や先輩看護士の忠告を忠実にきかなければならない職業を真面目に勤めてきたので、迎合的な性格といえる。警察官の威圧的にものを言われたら、多くの人は気も小さく気も弱くなりでしょう。想像の範囲ですが。

ヤンさん
 コメントありがとうございます。
 やや揚げ足取りかもしれませんが、
 教師の子供が学校を信頼しているとは限りません。
 職業を真面目に勤めてきたというのは、守被告が犯人でないことを前提にしています。
 報道にあらわれた言動を見ると、かなり自己主張の強い性格と見受けられます。
 別エントリで指摘していますが、検事から「人殺し」という言葉を何回も言われて厳しく取調べ受けていながら、その回数を指折り数えながら1910回もカウントするというのは、それが事実であればですが、気も小さく気も弱い人のすることとは思えません。

>矢部先生
 詳しいご回答をいただき、ありがとうございます。なるほど、9日の弁護人接見の前にも、弁護人接見がありそこで守被告は自白しているとみられるのですね。そういうことであるならば、裁判所の判断が守被告の自白に信用性(任意性)を認める方向に傾いたのも無理からぬところだと思います。
 ただ、守被告の自白内容にいわゆる「秘密の暴露」が含まれていないらしいことなどを考えますと(asahi.com2003年6月21日記事より)、守被告の自白には信用性がある程度認められるものの、“完全に信用性あり”とするにはなお慎重な考察が必要であるような気もしています。

 和歌山毒物カレー事件でも感じましたが、状況証拠を積み重ねて有罪立証をするのは本当に大変なことなのですね。本事件では150回も公判が開かれていますが、これが裁判員制度の下で行なわれることになると思うと気が遠くなります。本事件を裁判員制度の下で裁こうとすれば、公判で行なわれた証拠調べのうち何割が公判前整理手続で“圧縮”されることになるのでしょう。

 ところで、先生は「最近の私は、検察の代理人みたいなことばっかり言っているようですが」と仰っておられますが、私はそのようには感じていません。先生のエントリーやコメントから、「検察はこのように事件を読む」「裁判所はこのように心証をとるようだ」といったことがよくわかり、裁判記事を理解する上で特に参考にさせていただいております。

記事とコメントを読ませていただいて非常に参考になりました。

一点、にわかながら法律を勉強している者から感じたことがあります。

> 結局本件は、被告人の自白を判断材料に入れないで、その他の証拠で有罪心証が形成できるかどうかでみるより他にないのではないかと思います。

というご主張は確かにまさにその通りです。

しかし、裁判員制度が実際に行われた後でも、その他の証拠だけでは有罪が立証しきれない否認事件というのが当然にあることもご理解ください。客観的な物証だけでは立証できないから無罪放免では周到な犯罪者を逮捕することはできません。

そのときにこそ、本件のような捜査段階取調段階での自白の任意性が問題とされるわけです。検察側も、他の客観的な物証だけで立証できるのならば、ここまで自白にこだわって立証する必要がないのです。

そのような難しい事件でも、被告人の心理状況や各態度や能力、そして供述内容を深く分析して有罪か無罪か、神のみぞしる真実を判断してどちらかの結論を出さなければならないのが刑事裁判です。上でも書かれていましたが否応なく判断せねばならないのです。

もちろん、確度の高い証明がなされない限り無罪とするのはもちろんですが、私見とすれば本件での自白全てが任意性のない自白であったと言うことはできないと思わずにはいられません。

モトケンさん、コメントとTBありがとうございました。物証が消え、事件そのものを問う裁判は非常に難しいし、見えにくいものですね。マスコミは少しでも疑念があれば、全く反対方向に世論を誘導することもできるという恐ろしさがあります。しかし、実際に公判を傍聴した記者の記録を読むと守君の弁護団の主張に、いささか不安定感を覚えずにはいられません。
また、普通の感覚ですと、控訴審とは「裁判のやり直し」という様に捉えているのが現実です。今回はたいへん示唆に富んだ話題を提供いただき感謝しております。

はじめまして
jこの事件に関する解説参考になりました。
さて、この事件に関してどうも人権基地外
が冤罪説を触れ回っている御用なんで
紹介させていただきます↓
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-55.html
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-56.html
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-57.html
http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-58.html

で、冤罪冤罪といえば騒ぐのは小野悦男
の時のような人権屋とか酒鬼薔薇のときの
ような革マルだったりしますが
共謀罪を恐れているよあうな奴が上記の
きじにのっかって警察批判やってたり↓
http://anarchy.blog5.fc2.com/blog-entry-100.html

なんとか言ってやってください。

御丁寧な返答をありがとうございました。

>守被告は、警察に対する信頼が厚く、気が小さく、気が弱く、かなり迎合的な性格である、という立証が前提になります。

警察に対する信頼は、前科があるわけでなし、ごく一般的なのではないでしょうか。迎合的というのは、同僚にそのように彼を評価する人がいたと思います。

ところで、他の方のコメントにも「客観的な物証だけでは立証できないから無罪放免では…」というふうにありますので、ちょっと気になるのですが、司法の専門家の方は、以下の日本国憲法の条文はどのように捉えておられるのでしょうか。

第38条
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

この条文がありますので、他にはロクな証拠もないのに、自白の信頼性だけがどうこうと問題にされるのが、少し不思議に思えるのです。

なお「ブサヨヲチ者」が貼ってくれたのは、私のブログ記事ですね。

冤罪説を唱えると即「人権屋」等々というレッテルをもらうのには閉口します。私はただ、守被告なら守被告があの事件をやったのだという証拠がほしいだけなのですが。小林薫を逮捕した奈良県警は、本当に偉かったと思います。

どんぶるさん
 憲法38条については、拷問等の禁止を実効あらしめるために、自白だけで有罪にすることはできず、補強証拠が必要とした趣旨だと理解しております。

>他にはロクな証拠もないのに、

 私は、本件の証拠関係の詳細を知りませんので、ロクな証拠しかないのかどうかわかりません。
 どんぶるさんはご存じですか。

>自白の信頼性だけがどうこうと問題にされるのが、少し不思議

 これは私のことでしょうか?
 私は自白の信用性を問題にしましたが、信用性だけを問題にしているわけではありません。
 自白についてはある程度の意見を述べるだけの情報(asahi.comの記事)がありましたので所感を述べたまでです。

>冤罪説を唱えると即「人権屋」等々というレッテルをもらうのには閉口します。

 これには異議がありません。

>守被告なら守被告があの事件をやったのだという証拠がほしいだけなのですが。

 裁判所の判断の当否を問題にするならば、法廷に現れた全ての証拠を見てみる必要があります。

>小林薫を逮捕した奈良県警は、本当に偉かったと思います。

 この趣旨がよく分かりません。
 小林薫の事件でも被告人が完全否認して、徹底的に争えば、不自然な点や憶測の入る余地がかなり出てくるかもしれませんよ。

しつこいようだけど、取調べって被疑者や被告にとって問題ありすぎですよね。重罰や長期の拘束を恐れて、自白する場合もあるし。
モトケンさんの言うように今のシステムだと自白なんて信頼性は薄いです。理屈だけで、どうこう言う人は実際に体験すれば分かります。

zenkaman さん
 可視化しかないと思います。
 でも、厳しい取調べというのは、どうしても必要だと思います。

 そうしますと、どの程度の又はどのような取調べが限度を超えた違法な取調べ(厳しすぎる取調べ)と言えるかどうかについて、相当熾烈な議論が生じるだろうと思います。
 
 綺麗事ではすまない議論です。

>モトケン様

「完全犯罪クラブ」という映画で二人(共犯)の殺人事件の容疑者を別々の部屋で取り調べていたところ、片方を調べていた刑事が「もう一方の奴はおまえがやったと言っているぞ」と
言っていました。こういう場合って、どうなんですか。ズリー!とそのときは思ったのですが。

zenkamanさん

横レスですが、そういう尋問は、一般に「切り違え尋問」(切違え尋問、切り違い尋問)と呼ばれています。
それによって得られた自白は、「任意」ではなく証拠能力ナシ、とされる典型例のひとつです。

最高裁も、まさにそういう尋問は「ズリー!」と認めています。
(最高裁大法廷 昭和45年11月25日判決)

拳銃所持の事案で、
はじめは妻が「自分が勝手に持っていた。夫は無関係」とかばい、夫も「自分は無関係」と言っていたのに、
取調官が夫に対して、妻は「共謀」を認めている、とウソをついたらまんまと夫が自白し、
次に妻に対して「夫は認めたぞ」と迫ったら、妻も認めた、という経緯です。

fuka_fuka さん
 説明していただいてありがとうございました。

zenkamanさん
 そういうことです。
 常識的に見ておかしいことは、法律的に見てもやっぱりおかしい、ということが多いです。

ありがとうございます。
判例があったんですね。なるほど。
法律家は誰よりも頼りになります。

しかし、もし警察が「そんな事実はない」と言ったらどうなるのか。証拠なんて勿論ないし。

そこはモトケンさんの言うように可視化しかないでしょうね。

私は警察に民事訴訟をほのめかされ自白させられそうになったことがあります。警察が民事訴訟を起こすことなど、よほどでなければ、無いと、後で考えれば思ったのですが。

はじめまして。守大助さんの支援者です。
守大助さんから社会へ向けて発信するよう依頼を受けているメッセージを添付させていただきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「自白」

初めまして。私は仙台北稜クリニック事件(筋弛緩剤事件)で冤罪に問われている守大助です。
私はやってもいないことを認めました。これが恐ろしい殺人事件になると思いもしなかったし、まして5年以上も世間から隔離される生活をするなんて全く思いも、考えもしませんでした。

私の父親は宮城県警察本部・警察官です。(今年3月定年)小さい頃から、警察官という仕事を知っているつもりでした。捜査して、ちゃんと両方から話を聞いて調べる、そして逮捕するんだとばかり思っていました。

私が「自白」したという件は、11歳女児の件だけ。平成12年10月31日に入院して急変した患者です。対応したのは半田郁子医師と、結婚を約束して一緒に生活していた彼女である看護婦と私です。急変原因が分からないが、植物状態になってしまったのは、半田医師のラリンゲルチューブ挿管のミスでした。この事は間違いない事実です。私も彼女も見ている介助しているのです。だから私たちは、患者の家族が北稜を警察に訴えたと思っていました。患者の両親は医師と看護婦ですので当然だろうと思っていた。

平成13年1月6日に婦長と刑事2名が来ても、ドキドキとかなかった。父の同僚なので親近感を私は持ってた。”A子ちゃんのことで今日は2人に話を聞きたい”と、私たちは協力しましょうと、ミスしたことを伝えようと確認したのです。

2人は別々に移動したのですが、私が疑われていると思えなかった。地下の狭い取調室で担当のS刑事から、”急変原因を知っているのはお前だ”とガンガン言われるのです。私は急変原因なんて分からないこと、事実をありのまま伝えた。挿管ミスで現在の状態になったことをです。全く私の説明聞こうとしない。ポリグラフ検査を受けさせられ、直後からは”お前がやってるんだ”と怒鳴って言ってくるのです。

私には現実感がないのです。撃たれた・刺されたとかというのがあればまた違うのだが。病院で急変・亡くなるというのはおかしいことではありません。なのでいくら”お前だ””マスキュラックスで”と言われても結び付かないんです。怒鳴ってガンガン言われるのが嫌になった。彼女も私と同じように調べられていると思うとかわいそうだと思ったんです。女性ですから。

S刑事にいくら知らない、分からない、やってないと言っても聞いてもらえず、急変した時にいた者がやったのかとも言いしまいには”お前じゃなければ彼女を逮捕する”と言うのです。もう私はかんべんしてほしいと思った。だんだん怒鳴られていると、処置の時間違ったのかと思うようになり、確認ができないので判断もできなくなった。”どうせやってもいない事ですので調べれば分かる”と思ったんです。刑事が半田にも聞くだろうと思った。私は怒鳴られるのに耐えられなくなってしまい”間違って注射した”と。しかしSは違うと。分からないと言うと、アドバイスくれるんです。その時なんかしていただろうと。こうして点滴へ入れたという文ができたのです。これが自白と本当に言えますか。私は方法を知らないです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

支援組織である「守大助さんを支援する会」は以下の呼びかけを行っています。
1.最高裁あて上申書の提出と署名集めにご協力ください。
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0608zyousinnsyo.pdf
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0606saikousai.pdf
2.最高裁に要望を送ってください。
要望先 〒102-8651
東京都千代田区隼町4−2 最高裁判所第3少法廷
裁判長 藤田宙靖 殿
3.大助さんに激励の手紙を送ってください。

また現在、私は主に東京で支援グループの結成を呼びかけています。
ご参加いただける方はご連絡ください。

<本件参考サイト>
○日本国民救援会宮城県本部 守大助さんを支援する会
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/sub001.html
○asahi.com 本裁判の全ての公判取材記事が読める。
朝日記者からもかなりの疑問点が提示されている。
http://mytown.asahi.com/miyagi/newslist.php?d_id=0400017
○テレビ朝日「ザ・スクープ」 取材VTRを3本見ることができる。
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/update/special_back/20020216_010.html
○ノンフィクション作家の岩上安身さんの取材記事:「週刊ポスト」掲載より
http://www.hh.iij4u.or.jp/~iwakami/past.htm
○同志社大学社会学部研究室 浅野健一ゼミ
http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2001/sendai.html

 守被告人の支援者のshige さんからサイト紹介のコメントを頂いてましたが、リンクが多かったせいか公開保留になっていましたので、公開処理をとりました。

 守被告人の支援者からのコメントなので公開しなかったというわけではありませんので、ここに弁明させていただきます。

 興味のある方は、shige さんが紹介されたサイトをご覧ください。

筋弛緩薬「マスキュラックス」が点滴に混入されていたことにより,数例において呼吸困難から呼吸停止になり一部の患者さんが亡くなったということですね.
「犯人が誰か」ということは置いておきますが,マスキュラックスを毎日使用している麻酔科医としてコメントします.
マスキュラックスは「毒薬」指定された薬剤です.麻酔や集中治療などに関与する人間以外は医療関係者でも使用することは稀であると思われる薬剤です.これが点滴内から複数回検出されるということは,99%意図的なものであり極めて異常な事態です.明確に意図したかどうかは不明ですが「殺人目的」と言われても当然です.「呼吸補助を行なえば死ぬことはない」というのはそうですが,そんな言葉で片付けられるものではありません.我々麻酔科医は意識消失を生じさせる麻酔薬と共に筋弛緩薬を使用しますが,もしも麻酔薬なしにこの薬剤のみを使用すると患者さんは呼吸ができなくなり「非常な恐怖」を感じるでしょう.我々は研修医たちに指導する際にも「決して筋弛緩薬だけが効いた状態にしてはいけない」と教えています.
効力ですが,成人(50-70kgくらい)に4 mgを投与すれば,呼吸できなくなります.1 mgを投与しただけでも筋力の弱い人なら呼吸困難感を感じるようになります.(小児だと体重割りして使用しますのでさらに少量でも呼吸困難感が生じたり呼吸停止を来たしたりします)

このような「毒薬」の知識を持ち,しかも病院内の保管場所からこれを持ち出して使用できる人間というものはそもそも非常に限られています.少なくとも,そのクリニックの「医療関係者の誰かが意図的に行なったこと」と考えるべきものでしょうね.誰が犯人だとしても断罪されるべきです.
個人的な意見ですが...

守大助さんを支援する活動を行っている藤沢と申します。
守大助さんから社会へ向けて発信するよう依頼を受けているメッセージを添付させていただきます。

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警察・検察について

 私は警察官という仕事は、父親を見て育ってきましたので、先ずデタラメな仕事はしていないと思っていました。当時の私は、前回の“自白”でも説明しましたが。
「やってないことを言わされているのですから」警察はそのことについて調べると思ったのです。だからそれが“自白”だとも思いも・考えもしませんでした。(“自白”になるとも)現実に私が筋弛緩剤を混入したという事実がない。11歳女児が重症になったのは、挿管ミスであるというのを、私は自分の目で見ているんです。いくら説明しようとしても全く聞こうとしなかった。
 これは初めから、警察は調べることなく半田夫妻の“点滴=急変”、“守=犯人”という考えのままです。差別です!身分差別!「東北大医学部Profが言うのだから間違いない」という考えです。私の担当したS刑事、A刑事が全く“挿管ミス”について聞こうとしなかったのは、そこに問題があったと思います。(准看護師の話より東北大学Profの方が信用できるとしたこと)
 皆さんは警察が間違うはずないと思いますね。私も当時は“調べてくれる”、“何を言っている”という思いが強かったが、あのように取り調べてそのままにしてしまう。(調べもしないまま)
 私は方法についてだって知りません。やってないのだからこれは当然です!S刑事から誘導され方法を教えられたんです。点滴へとですよ。
私はこの事件とされている「点滴」での使用方法なんて見たことも、聞いたこともなかったです。「注射」でしか分かりませんでした。(これこそ調べれば本当に作用するのか分かると!)
 全くデタラメなのは2名の刑事の法廷証言です!
“点滴へ混入したと言ったのは被告です”“私から誘導もしていません”
と証言しました。
冗談じゃないです。私は証言を聴いていて頭にきました。“お前が私に調べで言っていることと違うじゃないか。誘導したから点滴になって納得したんだろ”と声を出したかったです。
 ましてこの2人は“点滴での方法は事前に知ってない”なんて言うのです。半田夫妻が点滴方法をS刑事にも伝えているんです。まして医学・薬品の本にも点滴方法は出ていません。半田が自分で考えたということ明らかになっているんです。S,Aの2名が知らないと言うのは全く嘘。法廷で堂々と証言する。これが本当に警察官なのかと!怒りだらけです。
 点滴の方法では作用しないと捜査側が知ったのは、逮捕した後のことです。都合が悪くなって方法を知らない、被告に騙されたとまで言うのです。ふざけてますよ。なんでもやってきます。
 もっとひどいのは検察官で“ありえない”という東京大学助教授のシュミレーションを高裁まで隠し持っていた。弁護団によってシュミレーションやっていたこと指摘されて、やっと出した。(高裁はこのシュミレーションについて無視です。別テーマで伝えます。)“ありえない”ばかりでなく“鑑定方法もおかしい”と書かれていました。作成日はH13・2月と3月です!逮捕後1ヶ月たってからやってます。(作成日が本当か疑問)
 それでも事件にしなければいけなかったのはなぜか!警・検察は逮捕してしまえばもう戻れないシステムになっているのです。私は否認後の3月・4月には警・検からこう言われました。
“逮捕したが起訴したのは検事だ、我々は関係ない”(警)
“裁判で無罪になっても、それは公判の検事であり、私は起訴しただけで関係ない”(検事)
と責任逃れの発言していました。こういうことが(証拠)山ほどあると思います。
 皆さんは証拠というのが、すべて開示されていると思いますが全くのデタラメです。開示しません。犯行で使用されたという、薬品の空アンプルもあるあるというだけで出してません。1つも出してない!指紋検出したというが、それが誰のかは不明です。私のでないから明らかにできないのです。警察は“自白”というものだけほしかったのでしょう。
 私がやってないと、頭の中が整理され否認した。そしたら刑事は「点滴」方法は騙されたと言う。こんなことが、権力側は知っていてやっている。警察が調べれば分かると思ったことは、今の捜査側にはちっともありません。
 こんなデタラメをしていることを知って下さい。
 今後も警察・検察について書いていきます。

 守 大助。
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※以上は2007/1/9付けのお手紙で、本人から社会へ無実をアピールするために預かった文章です。
刑事の実名は仮名に変えました。

<ご支援いただける皆様へ>

1. 最高裁あて上申書の提出と署名集めにご協力ください。
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0608zyousinnsyo.pdf
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/0606saikousai.pdf

2. 最高裁に直接要望を送ってください。
要望先 〒102-8651
東京都千代田区隼町4−2 最高裁判所第3少法廷
裁判長 藤田宙靖 殿

3. 大助さんに激励の手紙を送ってください。
 激励先 〒984−0825
       仙台市若林区古城2−2−1
               仙台拘置支所
                  守 大助 

4.現在、「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」の結成準備中です。
ご参加いただける方はぜひご連絡ください。
※3/19(月)夕方から、守大助さんのご両親をお招きして、
東京で支援集会を開く予定です。詳細は後日お知らせ致します。
ぜひご参加ください。

<本件参考サイト>
○日本国民救援会宮城県本部 守大助さんを支援する会
http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/sub001.html
○テレビ朝日「ザ・スクープ」 冤罪疑惑を徹底検証!取材VTRを3本見ることができる。
http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/update/special_back/20020216_010.html
○独立系メディア「今日のコラム」 守大助さんの投稿記事、守大助さんとの面会記、他
http://eritokyo.jp/independent/today-column-legal.htm

〜〜〜(以下、転送、転載、大歓迎です)〜〜〜

■□■ 仙台・北陵クリニック冤罪事件 
守大助さんを支援する首都圏の集い ■□■

2001年1月、仙台の「北陵クリニック」の准看護師だった
守大助さんが、患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入したとして
逮捕され、1人殺人、4人殺人未遂の容疑で起訴されました。
守大助さんは拘置所から一貫して無実を訴え続けていますが、
一審、二審ともに無期懲役の不当判決がなされ、
現在最高裁にかかっています。
本事件を冤罪と確信し、守大助さんを助けたいという
首都圏の有志が集まり、このほど
「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」を立ち上げました。
「首都圏の会」は企画第一弾として、守大助さんのご両親をお招きし、
以下の要領で支援集会を開催することにしました。
関心のある方はどなたでも是非お気軽にご参加ください。
終了後、懇親会等も予定しています。

◇日時:3月19日(月)18:30〜(終了20:30予定)
◇場所:南部労政会館 第三会議室
(JR山手線・大崎駅下車徒歩3分)
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sosiki/roseikaikan/nanbu.html
南改札口→連絡デッキ→(連絡デッキ突き当たり)→専用エレベーター(3Fから1F)
→労政会館入口(1F)→労政会館(2F)
◇参加費:無料
◇事前申込み:不要
◇主催:無実の守大助さんを支援する首都圏の会
◇連絡先:daisuke_shien@mbr.nifty.com
電話・FAXでのお問い合わせは日本国民救援会神奈川県本部(下記)へ
Tel:045-663-7952 Fax:045-663-7953

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「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」のHPが出来ましたのでご案内致します。

http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/

大助さんの連続メッセージも掲載してあります。
一番読んでいただきたい事件詳細部分が、調整中のため未公開になっていますが、3/19前後に公開予定です。
その頃にもまたぜひのぞいて見てください。

本事件(事件ではない!)は120%間違いなく冤罪です。
警察の思い込みとずさんな捜査によって作り上げられたでっち上げ事件です。

高裁の控訴棄却から1年が経ち、いつ判決が出てもおかしくない状況です。
前途ある無実の青年に「無期懲役」などを確定させないよう、
どうか皆様のご協力をよろしくお願い致します。

No.30 shige(藤沢) さん

残念ながら,この事例は事故ではなく事件(殺人の故意がなければ起きない事例)です.No.27 Level3 さんの言われる通り,呼吸管理しないといけない人以外には使うことのない薬を使った殺人,殺人未遂事件です.

直接,被告人を知らない者としては,無実とも有罪とも判断しようがないものです

判断材料が全くないということが,判断材料で溢れている福島産婦人科事件との大きな違いです.福島産婦人科事件では正当(医療)業務行為の延長上にあるから更に大事件として同僚だけでなく社会も刑事罰について危惧し,不当な捜査について憤りを感じています.
が,この事件は正当業務行為の延長上には全くありません

感情だけをぶつけて裁判所に立ち向かうのは,裁判所には無意味だし,直接判事に訴えることは,本来反則で,判事も内容を読むことなく裁判所に没収・処分されることになるでしょう
裁判官にスパム・メールを送りつけるなどという行為を世間に呼びかけることは迷惑であり,直ちに中止すべきです.
支援団体としても,運動の方針を間違えているように思われます.

この事件の謎,判断いたしかねる事情として

1 自白の任意性の問題

これは密室の話なので素人には断定しかねる

2 証拠の問題

物的証拠で守被告と直結するものが何かがちょっとわからない

3 投与方法の問題

(何者かの)殺意があったとして 筋弛緩剤の投与方法が
側管から静注ではなく 点滴本体に混入を選んだ理由が分からない

4 冤罪背景の問題

東北の半田先生はよく知らないんですけど(京大の半田先生なら著書もってます)
冤罪説が成立するには警察の不当な取調べだけでなく
病院経営サイドが責任転嫁させたという解釈が不可欠になるような気がします
そんなことが可能なのかという強い疑問が払拭できません

この事件では筋弛緩剤を投与されたとする11歳女児の投与2日後(3日後だったかな)の尿から、高濃度の筋弛緩剤が検出されました。
麻酔科医をはじめとする筋弛緩剤を日常的に使っている先生方のご意見をお伺いしたい。このようなことがありうるのでしょうか?

>No.33 うらぶれ内科さん

マスキュラックスの薬物動態については下記参照ください

30 薬物動態
薬物動態
1. 血中濃度1)
手術患者4例に臭化ベクロニウム0.08mg/kg、3例に臭化パンクロニウム0.08mg/kgを各々静脈内に一回投与し両剤を比較したところ、分布半減期(t1/2α)は各々1.2分、2.4分と差はみられなかったが、排泄半減期(t1/2β) は各々11分、76分と臭化ベクロニウムが有意に短く、臭化パンクロニウムに比して短時間で代謝又は排泄されて血中から消失することが示された。

2. 代謝、排泄
手術患者5例に臭化ベクロニウム0.15mg/kgを静脈内投与した場合、投与後24時間までの尿中排泄率は投与量の約30%であり、その約10%は3α-脱アセチル体であった。
また、手術患者6例に同量を静脈内投与した場合、投与後24時間までに肝胆系を介して主に未変化体(排泄量の約5%が3α-脱アセチル体)として排泄され、投与量の約40〜50%が胆汁中へ排泄された。(参考:外国人-オルガノン社研究所)
(参考:動物)

ラットの全身オートラジオグラフィーの実験から、静脈内投与後、主として肝臓、腎臓、気管等に分布し、中枢神経系、脂肪組織にはほとんど移行しないことが認められている2)。

2日目(48時間後)でも、72時間後でも、自然界ではありえない高濃度の検出は可能でしょうね
但し原液混ぜたような高濃度はありえないので、もし濃度次第では、故意に尿に混ぜた可能性はあるけれど、誰がやったか分からないので、もともとの犯人が誰かは未定のままです。
他人に罪を押し付けるつもりで実施したとすると、複雑昏迷であり、真犯人探しは更に難しいでしょうね

>NO.34 Med_Law さん
>2日目(48時間後)でも、72時間後でも、自然界ではありえない高濃度の検出は可能でしょうね

なぜこのようなことがいえますか?

臭化ベクロニウム(マスキュラックス)の血中半減期は11分ですよ。24時間後1.5*
10^-40という血中濃度になっているわけです。48時間後の尿に検出可能な濃度で出てくるとはとても思えません。
No.34のコメントの代謝排泄に書かれてあるのは24時間の蓄積量であって24時間後の排泄量ではありません。

この件、是非他の専門家の見解をお聞きしたいところです。

>No.35 うらぶれ内科さん

了解です。私の誤認でした。
失礼いたしました

子供であることを考慮しても普通は検出感度以下でしょうか?

体の大きさの影響はせいぜい2-3倍程度の濃度差を与えるのみだろうと思います。

ザ・スクープで被告は冤罪ではないか?というスタンスで特集されていましたね。
尿中の薬物濃度はもちろんですが、患者さんの検体、輸液バッグが残っていたりして、いかがわしさが漂う事件なんですよね。
普通、患者さんに使用した輸液バッグ、ラインを取っておくことはないと思うのですが私の常識が間違っているのでしょうか!?

冤罪だとすると患者検体や医療廃棄物を証拠として警察に持ち込んだ誰かが...ということになるのですが。

>ザ・スクープで被告は冤罪ではないか?というスタンスで特集されていま
>したね。
>尿中の薬物濃度はもちろんですが、患者さんの検体、輸液バッグが残って
>いたりして、いかがわしさが漂う事件なんですよね。
>普通、患者さんに使用した輸液バッグ、ラインを取っておくことはないと
>思うのですが私の常識が間違っているのでしょうか!?

Hekichinさん,
確かに通常ならそうでしょうね.1回きりの事件とかであればこのようなことは考えられないでしょう.
しかしながら,この事件は複数回繰り返して起きています.しかも医学的にみてどうも経過が不自然であると,医学を学んだものには感じられるものです.となれば医療関係者の中で,疑いを抱きそれを確認しようとする人間が出てきていても不自然ではないと思います.
この事件に関してはそういったことがあっても不思議ではないと考えることはおかしいでしょうか?
実際のところはどうであったか知りませんが...

冤罪であるかどうかはともかくとして、なぜこのような鑑定結果が証拠採用されたのかまったく不可解です。結果が疑わしいから再鑑定しようにも、鑑定資料は意図的に全量消費されてしまっている。最高裁は鑑定結果を証拠から排除し、審理を差し戻すべきであろうと考えます。

こんな証拠を認めるのなら 再検査用の試料を温存するのがアホみたい
証拠隠滅し放題

こんな証拠を認めるのなら 再検査用の試料を温存するのがアホみたい
証拠隠滅し放題

No.31 Med_Law さん

>残念ながら,この事例は事故ではなく事件
>(殺人の故意がなければ起きない事例)です.
>No.27 Level3 さんの言われる通り,呼吸管理
>しないといけない人以外には使うことのない薬を使った殺人,殺人未遂事件です.

なぜそのように断定ができるのでしょうか。
事件性裏付けの唯一の証拠とされる警察の「鑑定書」は
福岡大学影浦教授の鑑定意見書で完全に否定されています。
認めないのは科学審理を拒否した裁判所(仙台高裁)だけです。
No.27 Level3 さんの発言は「マスキュラックスが検出された」ことを前提にしています。
しかし前提が崩れているのだからMed_Law さんの仰ることは全く根拠がありません。

>裁判官にスパム・メールを送りつけるなどという行為を
>世間に呼びかけることは迷惑であり,直ちに中止すべきです.

誰がスパム・メールを呼びかけたのですか^^;。。
(なかなか面白いことを仰いますね)
私は裁判所のメールアドレスを知りません。

>No.27 Level3 さんの発言は「マスキュラックスが検出された」ことを
>前提にしています。

shige(藤沢)さん,

以下は過去のSK新聞の記事のようです.
>その結果、犯行に使用されたマスキュラックスそのものは出なかったが、
>マスキュラックス特有の分解成分が検出された。

以下はベクロニウムの効能書きからです.効能書きはこういう時にだけ利用できるんですね.
>手術患者5例に臭化ベクロニウム0.15mg/kgを静脈内投与した場合、
>投与後24時間までの尿中排泄率は投与量の約30%で あり、その
>約10%は3Ð-脱アセチル体であった。

代謝産物はしっかり体内に残るわけですね.しかも本来は人間の体の成分として存在しないものですから,十分検出できる訳です.

複数の症例で,呼吸補助が必要となるような呼吸困難が生じておりますが,救急外来でこのようなことは通常考えにくいことです.

これらの情報を元に考えれば「筋弛緩薬が投与」されたことは間違いないと私は考えています.繰り返しますが,「誰が」かという点は不明ですが,そのようなことがなかったと主張するにはあまりに非現実的であると,麻酔科医である私には思えます.病気というものを知っている医師の目からすれば明かに経過が不自然です.

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