従軍慰安婦問題:戦時下の性暴力を考える 講演会に90人 /鹿児島
毎日新聞 2013年09月24日 地方版
従軍慰安婦問題を考える講演会が、鹿児島市山下町の県教育会館であり、NPO法人運営「女たちの戦争と平和資料館」(東京)の渡辺美奈事務局長が「戦時下、女性への性暴力は当たり前の事としてこれまで裁かれてこなかった。過ちを認め、負の連鎖を断ち切るべきだ」と訴えた。
県護憲平和フォーラムの主催。「平和と護憲を考えてもらう機会に」と、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日(1931年9月18日)に合わせて毎年開いている「9・18不戦を誓う日の集会」の一つ。市民ら約90人が聴講した。
「慰安婦にされた」とされる女性らの証言VTRが流され、映像の中の女性たちは「1日10から20人の日本軍の相手をさせられた」「耳や腕をひどく殴られ障害が残った」などと涙を流しながら話した。
渡辺事務局長は「安倍晋三首相は『狭義の強制連行はなかった』と日本軍の関与を否定したが、慰安所設置の計画立案や使用規則など日本軍が全面的に監督・統制していたことを示す資料が残っている」と指摘。「勇気を出して声を上げた女性たちは80〜90代になっている。彼女たちが亡くなる前に、加害国の私たちは『事実関係を認め謝罪してほしい』と願う女性たちの声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。【垂水友里香】