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この作品は<R-18>です。
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番外編 多数視点
番外編 とある時から始まっていた気持ち
気付いたら好きになっていた。
気付いたら日本語が話せたように始まりに憶えがない。何が切っ掛けだったんだろう。たぶんきっと、一緒にいる時間が長いからかもしれない。もちろん顔がかっこいいというのもある。でも、かっこいいだけなら他にもいる。かっこいいと言っても中の上で上の上ではない。なのに何故なのだろう。何であの人なんだろう。
それはきっと会話をしているからかもしれない。唯一私が話す相手だった。いつから話し始めたのかは忘れてしまったけれど。心を通わせているのは男であの人だけだ。自分の父親でさえ心を許していない私でもあの人だけは許してしまうことがある。面白くなくてさむいし、坊主頭だし、気持ち悪いこと言うのに。私が嫌がることは言うけれど、決して手は出さない安心感があるからだ。相手を思いやる気持ち。あ、いや、それがあったら嫌がることは言わないか。でも、優しい心を持っている。私を笑顔にしてくれる。
あの人は今日いるのだろうか。
「やった! 受かった!」
「おめでとう。合格だな」
後ろから声がした。あの人の声が私の心に触れる。
嬉しい。ただ、それだけだ。
「久しぶり」
「おお、久しぶり。変わったな。一部変わってない所もあるようだが」
「あんたも変わった。髪の毛だけ」
「伸びただろ」
「そうね。気持ち悪くて似合ってないから短くしたほうがいい」
「お前はもっと胸に脂肪を蓄えろ」
「あんたはいつもそうよね。何で?」
「夢だから」
「夢?」
「そう。……パイズリ」
何故、こんなやつを好きになってしまったんだろう。
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