警告
この作品は<R-18>です。
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私は望んだ。
始まりは、ある日研究室で休んでいる時にある事がふと脳に浮かんだことだった。
私は童貞だった、と。
忘れていたのは研究に没頭して生きてきたからだ、と思う。
研究の繰り返しの日々を送ってきた私はいつの間にか三十後半だった。研究室にある鏡を見るとそこには私の知らない人間の顔が映っていた。皺が刻み込まれて、目の周りが黒ずんでおり、髪がぼさぼさだった。
「おじさんになってしまった」
私は自分を見つめ直した。家に帰っても家族がいるわけでもない、励ましてくれる彼女がいるわけでもない、女性と関わりがない。惨めだった。研究室に籠っていたから平気だったが、街へ出て見るとカップルだらけで私は恥ずかしかった。
「久しぶりの感覚だ」
気持ちが甦った。
短いスカートを穿いた女子高生を一瞥して、久しぶりに私は興奮した。
「はあぁ、はぁ」
いつ以来か分からない。私は勃起した。
「世界が痴女だらけならいいのに」
自分で言ったことに私は気付かされた。世界の女性を痴女にしたら、童貞を捨てられる。風俗店に足を運ぶ勇気がない私にとってこれしかないと思った。それに世界にいる同じ苦しみを持った者たちを救いたいとも。
「散歩を切り上げて研究室に戻ろう。私は心の底からやりたいことを見つけたんだ」
こうして研究施設を使用して極秘に研究を進めた。何度も挫けて、だけども信じて続けた。途中、副産物である薬の特許などを取得して大金を得ることができ、研究職を止める直前まで私は追い続けた。
そしてついに完成したのだ。
「媚薬の上をいくモノが創れたぞ」
私の息子は勃起することを忘れていたが、副産物で出来た薬を飲んで強制的に勃起させることができた。体は年齢と同じかそれ以上老いているが、息子だけは十代だ。
研究室に呼び出した生徒に睡眠薬を飲ませて、注射でウイルスを投与した。
「これで童貞を卒業できる。体力はいらない、勃起力さえあればいい。私は仰向けになって寝ていればいんだ。さぁ、私を襲ってくれ! 私は準備できてるぞ!」
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