98年10月、柳沢伯夫金融再生担当相は就任していきなり、日本長期信用銀行の破綻に直面する。「宮沢蔵相をはじめ、大銀行の破綻は避けたいとの声は強かったのだが」と漏らす。金融危機の収拾を巡って、政府内は対立する。
柳沢氏は「やってもやっても、もっと不良債権処理を、もっと公的資金注入をといわれた」と語る。金融不安の増幅を警戒する柳沢氏に対し金融担当を兼務することになる竹中平蔵経済財政相は厳しい検査に基づく大胆な不良債権処理と公的資金注入を求めた。
その竹中氏が金融危機回避の瀬戸際で取ったのは現実主義だった。2003年5月、厳格な会計処理で資本不足があらわになった、りそなに対し、株主責任を問わずに公的資金を注入する。「大きすぎてつぶせないというルールに沿った」と竹中氏は述懐する。りそな救済を機に株価は反転し、好循環が始まる。
それにしても不良債権処理には13年もかかった。日本がもたつく間にグローバル経済は回転速度を上げていた。
柳沢伯夫、竹中平蔵、宮沢喜一、西村吉正、速水優、日本長期信用銀行、日銀、リーマン・ショック
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