メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック
政労使会議―賃金デフレの根を絶て

安倍首相の音頭取りで、政府と経営者団体、労働団体の代表からなる政労使会議がスタートした。来年4月の消費税増税までに賃上げ機運を盛り上げ、経済全体の好循環を促すのが安倍政[記事全文]

遠隔地特養―本人の意思が大切だ

どこで老後を過ごしたいか。本人の意思を第一に考え、選択肢を広げたい。都市部の高齢化をめぐって、厚生労働省の検討会が報告書をまとめた。地方から都会へ流れ込み、生活を形成し[記事全文]

政労使会議―賃金デフレの根を絶て

 安倍首相の音頭取りで、政府と経営者団体、労働団体の代表からなる政労使会議がスタートした。

 来年4月の消費税増税までに賃上げ機運を盛り上げ、経済全体の好循環を促すのが安倍政権の狙いだ。来年1月ごろまで数回、開催するという。

 首相は今年の春闘で財界に賃上げを要請し、一部の企業が反応した。今度は春闘の仕込みの段階から働きかける。賃上げがアベノミクスの正否を左右すると思い定めているようだ。

 長く続く賃金デフレは労使双方、とりわけ経営側の心理的な惰性にとらわれた結果という面が否定できない。

 業績は改善しているが、賃金は上がらず、企業は内部留保をため込む。ここに政府が割り込み、空気を変えられれば意味があろう。

 好業績企業からは賃上げ容認論も出始めた。ただ、賃金デフレは根深い構造を持っている。しっかり斬り込まなければ、働く人々は将来に明るい展望は持てない。

 春闘の流れに乗るのはひとつの便法だが、その限界に縛られることでもある。今の春闘に非正規労働者や中小企業に賃上げが波及するメカニズムが欠けているなか、どう広がりを確保するのか。雇用の安定をどう実現するのか。そんな課題に政府は向き合ってほしい。

 賃金デフレ構造の根底には、内外市場で商品やサービスが競争力に劣るという経営面での弱みがある。ここから目を背け、人件費などのコスト削減にいそしむことが、要求度の高い株主たちに対する無難な対応とされてきた。

 経団連は人件費削減の「横並び」に余念がないが、そこに安住する危うさを自覚しなければならない。

 労働側も賃金デフレの構造強化に対して非力だった。もともと大企業の正社員が中心の構成で、バブル崩壊後に進んだ非正規雇用の激増に対応できなかった。とくに労働現場の賃金・処遇の実態をつかむ「情報力」を失った。

 これが労組の交渉力、すなわち問題の提起や解決の能力を衰えさせてきたといえる。

 連合は、中小企業や非正規企業への賃上げ波及を図るため、その処遇の実態把握にも努力し始めた。日暮れて道遠しだが、この道を進むほかない。

 労使双方とも政府の「介入」への警戒感がある。だが、労使自治をいうなら、これを機に自らの問題にまずは自らメスを入れることだ。

検索フォーム

遠隔地特養―本人の意思が大切だ

 どこで老後を過ごしたいか。本人の意思を第一に考え、選択肢を広げたい。

 都市部の高齢化をめぐって、厚生労働省の検討会が報告書をまとめた。地方から都会へ流れ込み、生活を形成した団塊の世代が一気に年老いるからだ。

 議論が白熱したのは、都市部で一人暮らしが難しくなった高齢者などを、地方の特別養護老人ホーム(特養)に送り出すことの是非だ。

 都市部における特養の入居待ちを解消するため、地方の施設で受け入れやすくするよう規制緩和すべきだ――。

 今年3月、官邸の産業競争力会議の民間議員がそんな提案をし、それを受けて厚労省が検討会を設けた経緯がある。

 過疎に悩む山形県舟形町は、福祉産業の誘致が雇用の拡大に効果があり、都市部とお互いメリットのある関係が築けると、検討会で訴えた。

 大事なのは、高齢者本人の意思がどこにあるかだ。

 元気なうちにUターンやIターンで地方に移住を決めるのなら、むしろ後押ししたい。老後の過ごし方に多様な選択肢を用意するのは、大賛成だ。

 しかし、要介護度が上がり、認知症もある高齢者の受け皿として、遠隔地の特養を「産業振興」として推進すべきか。

 「本人の意思に反して入所を強いるおそれ」があるとして、報告書は慎重な姿勢を示した。妥当な判断だろう。

 一方、東京都杉並区が静岡県南伊豆町に計画中の特養については「区民の保養所や臨海学校があり、つながりが深い」と容認した。自治体同士の「つながり」と、本人の意思とは直接には関係ない。こちらも慎重な運用が必要だ。

 要介護の高齢者が激増するなか、「住みなれた町で最後まで暮らせるように、という政策は本当に可能なのか」という疑念もあろう。

 都市部で介護施設が不足し、やむをえず遠いところに入らざるをえない現実がある。特に、身よりのない生活困窮者をどう支えるかは重い課題だ。

 報告書では、都市部に数十万戸単位で存在する空き家に着目する。そこに、介護や医療に加え、NPOやボランティアの力を生かした生活支援を提供し、「ケア付きコミュニティー」を実現すれば、施設同様の安心感を確保できるとみる。

 むろん施設を建て、人を雇えば済む話ではなく、住民同士の互助が必要となる。ここは元気なお年寄りの力の見せ場になるのではないか。

検索フォーム

注目コンテンツ

  • ショッピング9/23は万年筆の日

    ペン先の弾力を自在に調整

  • ブック・アサヒ・コムこだわり本作り 映画公開

    限定300部1冊100万円

  • 【&M】Windows8の操作法

    子ども向けアプリを利用する

  • 【&w】「たまたま」を夢につなげる力

    古田秘馬×山崎亮

  • Astandサウジアラビアの銀行の歴史

    発展に影響与えたワッハーブ派

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014