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パン粉系は工夫必要 ノンフライヤー、記者が挑戦

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2013/9/14付
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■パン粉系には 油を吹きかけて

 稲垣さんはノンフライヤーの仕組みから説明してくれた。200度近い熱風を高速で循環させ、食材の表面の湿度を数%まで下げることでサクッと揚げたような食感にする。だから鶏の空揚げや冷凍フライドポテトのように「食材そのものに油分がある場合は、もともとの油分で本物の揚げ物のように仕上がるが、パン粉系はどうしてもパサパサしがち」だ。

 打開策としては、スプレータイプの油を先に吹きかけるのがおすすめだという。コロッケで試してみると、油なしよりは確かにぱさつかない。でも、これでは「油不使用」にならない。

 日本料理店「分とく山」(東京都港区)にノンフライヤーを持参し、野崎洋光総料理長に相談した。空揚げを試食してもらうと「うま味が多少減るがヘルシーな味わい。肉汁もちゃんとある」。コロッケは衣が香ばしくならない分、ソースや中身にしっかり味をつけるなど工夫が必要だ。

 「揚げる機械というより、焼く機械と発想を転換してみては」。プロの料理人が使う厨房機器に「コンベクション」というオーブンがある。庫内に熱風を循環させて食材を均一に焼き上げることができるそうだ。「調理の方法は同じ。コンベクションの家庭版ですね」

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 ノンフライヤーと相性の良さそうな食材を野崎さんに挙げてもらった。タマネギ、ギンナン、おにぎり、ナス、アジ……。実際に調理してみて、野崎さんも絶賛したのがおにぎりとギンナン。タマネギなど野菜のグリルにも向く。油の多い中華料理にはやや不向きだが「和食には使いやすいのでは」。

 2008年のメタボリック症候群(メタボ)健診のスタートをきっかけに、脂肪やカロリーの摂取量を気にする人は増えている。でも食べたいものを我慢するのはストレスのもと。食材の個性を考えながら、上手に使いこなせるようになるといいと思った。

記者のつぶやき
 天ぷらを作ったとき、加熱しすぎて発火したことがある。ノンフライヤーなら、焦げすぎる心配は少ない。洗濯物をたたみながら、目を離していても調理できる。
 油で揚げた方が慣れ親しんだおいしさがあるが、ノンフライヤーは「時代に合った調理器具」(分とく山の野崎洋光総料理長)だろう。かまどから炊飯器に変わったように、揚げ物も新技術のおかげで、便利な選択肢が増えたと感じた。
(佐々木たくみ)

[日経プラスワン2013年9月14日付]

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ノーオイルフライヤー、イサムコーポレーション、フライヤー、コンベクション

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