楽天　あすにもＶ

　楽天が４連勝で球団最多となる今季７８勝目を挙げた。３回、銀次の２点二塁打とジョーンズの２点適時打で４点を先行。６回に伊志嶺がプロ初本塁打を放った。宮川がプロ初先発して７イニング１安打無失点で２勝目。日本ハムは４連敗。

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　優勝目前に、新たな孝行息子の誕生だ。育成枠１位の新人で、６月に支配下登録された宮川が、プロ初先発で５回まで無安打ピッチング。６回１死から陽に初安打を許したが、７イニングを投げ１安打無失点の快投を見せた。

　星野監督は、ベンチに戻ってきた宮川を握手で出迎える喜びようで、「びっくりしたなぁ！　（田中）マサヒロが投げてるかと思ったぞ。育成上がりが、期待以上どころか想定外だ」と、最大級の賛辞を贈った。

　宮川は札幌入りした２０日から緊張のしっぱなし。日本最大級の歓楽街・ススキノに食事に出ることもせず、テレビも見ないで「部屋に引きこもり。ほとんど眠れなかったし、朝ご飯が食べられなかった」という。だが、マウンドに上がれば度胸がすわった。

　ジョーンズが一塁から何度もマウンドに足を運び「ダウン（低く）、ダウン」と声をかけ、「そのおかげで一人一人アウトを取っていけた」とニッコリだ。オリックスのドラフト１位で、今季４勝を挙げている松葉は大体大の同期。入団時は差をつけられたが、やっと同じ土俵で競えるところまで来た。大学の大先輩、レッドソックスの上原浩治の活躍に「刺激を受けた」という。

　チームは４連勝で今季７８勝となり、野村克也監督時代の２００９年にマークした年間７７勝を抜き、球団史上最多勝利。２位・ロッテが敗れ、マジックも３まで減ったが、埼玉、千葉、福岡…とあと７試合ロードが続くため、ホーム・仙台には１０月３日まで戻れない。

　星野監督は「相手がいることだからな。ホントはホームで決めたいが、それにはかなり負けないといけない。負けろとは言えんしな」と、うれしい悲鳴をあげていた。　（竹村和佳子）