第2章 堺市の産業構造の現状と特性
更新日:2012年12月19日
第2章の概要
- 市内純生産は低下が続き、雇用も伸びていない。特に製造業の落ち込みの影響が大きい。
- 都市規模に比べて市内純生産額や従業者数が少ない。
- 開業率の低下が続いており、成長性に欠ける。なかでも製造業の低さが目立つ。
- 製造業は依然として大きな集積があるが、従業者数や製造品出荷額等は減少傾向にある。
- 製造業の粗付加価値率が全国平均に比べ低く、高付加価値化が遅れている。
- 製造業では臨海部の事業所や中小事業所の製造品出荷額等の落ち込みが大きい。
- 中小製造業は、生産技術が競争力の源泉で、開発力や販売力に優れた企業は少ない。
- 卸売業の集積が都市規模に比べて小さく、近年は減少してきている。
- 小売業は、近年、減少傾向にある。
- 小売吸引力は上昇してきているが、依然として市外に購買力が大きく流出している。
- サービス業の集積は、都市規模に比べて小さい。
1. 産業構造の現状
(1)市内純生産
- 近年は市内純生産額の伸びが止まり、堺市の経済力は低下傾向にある。特に、製造業の減少が大きく、他の業種の伸びではそれをカバーできていない。
- 金融・保険・不動産業以外の全ての業種での純生産額の伸びが政令指定都市の伸びに比べて低い。製造業の競争力の低下や小売・サービスの購買力が大阪市に流出していることなどが経済力の低下につながっていると考えられる。
- 政令指定都市と比較すると都市規模に比べて純生産額が少ない。市民一人当たりに換算すると80%程度(全国ベースでも約95%)しかない。業種別では、金融・保険・不動産業以外の全ての業種で下回っている。
- 業種構成比をみると、金融・保険・不動産業(22.9%)、サービス業(22.2%)、製造業(21.9%)、卸・小売業(17.8%)が大きな比率を占めている。製造業の比重は、以前に比べて大きく下がってきているものの政令指定都市に比べると高く、堺市の経済構造の特徴となっている。
(2) 雇用構造
- 業種構成を見ると、卸・小売・飲食業、サービス業、鉱・工業で大半を占めている。政令指定都市との比較でみると、鉱・工業の比率が高く、特徴の一つとなっている。(図表2-1-1)
- 市内の雇用は都市規模の80%程度でしかない。従業者数は鉱・工業以外では伸びているが、全国平均程度でしかなく、ギャップは埋まっていない。
図表2-1-1 従業者構造
(資料)総務庁「平成8年事業所統計」
(3)開業動向
- 全業種での市内事業所の開業率は、1981(昭和56)から1986(昭和61)年には5.5%であったが、1991(平成3)から1996(平成8)年では3.6%と大きく低下してきている。主要な業種の開業率を見ると、製造業の低さが目立ち、製造業の地盤沈下につながっているといえる。(図表2-1-2)
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