【NQNニューヨーク=横内理恵】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比49ドル71セント(0.3%)安の1万5401ドル38セントで終えた。米景気回復の鈍さを意識した売りが出た。新年度予算や連邦債務の上限引き上げ問題を巡り米与野党の交渉が難航するとの警戒感も引き続き相場の重荷となった。
主な株価指数は引き続き直近の高値圏にあり、利益確定目的の売りも出やすかった。ダウ平均は80ドルあまり下げる場面があった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比9.44ポイント(0.3%)安の3765.29だった。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で「米経済はなお非常に緩和的な金融政策の支えを必要としている」などと述べ、発言の背景にある米景気の減速傾向が意識された。一方、米連邦準備理事会(FRB)が年内にも緩和縮小に踏み切るとの見方は市場で根強く、この日も株の売り材料になったとの指摘があった。
この日からダウ平均の構成銘柄に加わった金融のゴールドマン・サックスやクレジットカードのビザ、スポーツ用品ナイキがいずれも下落し、ダウ平均をドル計48ドル程度押し下げた。
引けにかけて相場はやや下げ渋った。中国や欧州の企業の景況感を示す購買担当者景気指数(PMI)が堅調だったことが相場を支えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億9000万株(速報)、ナスダック市場は約16億9000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」や「一般消費財・サービス」など7業種が下落。「公益事業」など3業種が上げた。
個別銘柄では、米銀のシティグループが安い。トレーディング部門の収益が低迷し7~9月期の業績を押し下げる可能性があるとの英紙報道を嫌気した。
半面、アップルが大幅高。20日発売のスマートフォン(スマホ)iPhone(アイフォーン)新型機2機種の販売台数が最初の3日間で計900万台を超え、新型機の発売当初の実績として過去最高となったと発表した。
カナダの通信機器大手ブラックベリー(旧リサーチ・イン・モーション)も高い。カナダの金融サービス会社を中心とした企業連合に身売りすることで基本合意書を交わしたと発表した。
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