日曜日に行われたドイツの連邦議会選挙ではメルケル首相の率いるキリスト教民主同盟(CDU)が議席数を伸ばし、単独過半数にもう一歩のところまで行きました。

下は選挙前の議席比率です。

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下は今回の選挙結果の暫定値です。

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トップ2政党の歴史的な議席比率は下のように推移してきました。

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つまりキリスト教民主同盟(CDU)は、過去最高とほぼツラの好成績を収めたわけです。

今後の流れですが、ゆっくり時間をかけて大同連立政権形成のための話し合いがキリスト教民主同盟と社会民主党(SPD)の間で持たれると思います。

この2政党は以前にもメルケル首相の下で連立政権を運営した実績があるので、ひっつくことに抵抗はすくないと思います。

キリスト教民主同盟は別に社会民主党と組まなくても別の政党と組めば過半数が取れますが、社会民主党と一緒になれば圧倒的マジョリティを形成し、法案を通しやすくなるので、これが最も堅いやり方です。

キリスト教民主同盟も、社会民主党もユーロ賛成派の政党として知られています。ユーロ脱退派のAfDは、議席を与えられるのに必要な、最低5%の足切り線を超える事が出来ませんでした。同じくユーロに懐疑的だった自由民主党も5%に満たず、姿を消しています。

つまり有権者の投票行動から判断する限り、国民は圧倒的にユーロ残留を望んでいるわけです。

メルケル首相はとても用心深い政治家なので、表向きの態度は選挙後も一切、変わらないと思います。ただ欧州連合賛成派の2大政党が80%の支持を得たことで、対EU政策に関しては自由裁量を与えられたのと同然だと思います。