銀行の短期資金調達めぐるリスク、規制当局の最優先事項=タルーロFRB理事
[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のタルーロ理事は20日、リーマンショックから5年たった現在、銀行の短期資金調達をめぐるリスクの管理が規制当局の最優先事項との見解を明らかにした。
タルーロ理事はエール大学での講演の原稿で「ホールセール市場からの短期の資金調達は金融危機前のピークから減少したが、構造的な弱さは残っている」と指摘した。
「こうした資金の利用は資産価格が急速に上昇する局面では再び活発化する可能性がある」と分析した。
規制当局は個別の銀行の監督ではなく、危機の再発につながりかねないシステミックリスクへの対応に焦点を当てるべきとの認識を示した。
また資本基準の厳格化や短期資金調達への対処に加え、規制の緩いシャドーバンキング(影の銀行)活動に傾斜しないよう当局は措置を検討していると述べた。
その上で、シャドーバンキングへの移行が本格化したり、問題が大きくなりシステミックリスクとなったりする前に、直ちに問題に対応することが望ましいと強調した。
銀行自己資本比率規制の「バーゼルIII」が定めるカウンターシクリカル(景気変動抑制的)資本バッファーについては、監督手段として非常に「鈍い」ものの一定の役割を果たすとの見方を示した。
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