米国債:週間で7月来の大幅高-緩和縮小予測仕切り直しで
9月20日(ブルームバーグ):米国債相場は週間ベースで7月以来の大幅高となった。連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で市場の予想に反して債券購入の縮小を見送ったことから買いが膨らんだ。
この日の相場は一時下げる場面があった。セントルイス連銀のブラード総裁が、現在月850億ドルで実施している債券購入について、10月の会合で「小規模」な縮小を決定する可能性もあると述べたことに反応した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、FOMC会合後の記者会見で、労働市場をめぐる状況は当局が望むような状態からはなお程遠いとの認識を示した。
BNYメロン・キャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、ダン・マルホランド氏は「バーナンキ議長は、経済データが改善するまで現状を維持したかった」と分析。「今後は金融当局者の発言や経済データに注目することになる」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回り は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.73%。一時4bp下げる場面もあった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は5/32上げて97 31/32。
10年債利回りは今週15bp下げ、7月12日終了週以来の大幅な低下となった。
量的緩和の縮小ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に18-19日実施した調査では24人が、FOMCは月850億ドルで実施している債券購入のペース減速開始を12月まで待つと予想した。8月9-13日の調査の中央値では、縮小開始は今週の会合で決定されると見込まれていた。
カンザスシティー連銀のジョージ総裁はこの日、ニューヨークでの講演で、市場は国債購入の調整に備えていたことから、縮小見送りの決定を受けて失望感が広がったとの認識を示した。ジョージ総裁は今回の会合で、政策決定に反対票を投じた。同総裁が反対票を投じるのはこれで6会合連続。
セントルイス連銀のブラード総裁はブルームバーグテレビのインタビューで、「弱めのデータが入ってきた」と発言。FOMCの「決定はボーダーライン上にあった」とも語り、「委員会は『静観しよう』という判断に落ち着いた」と続けた。
また「インフレ率は低い」とし、そうした現状では「われわれは辛抱強くなれる」と付け加えた。
「神経を擦り減らす」ブラード総裁は、市場は今回の決定に驚くべきではないと指摘。FOMCメンバーは、緩和縮小の決定は「経済データ次第」だと繰り返し述べてきたからだと説明した。
ニューエッジUSA(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、デービッド・ロビン氏は「皆神経を擦り減らしている」とし、FOMC会合以降「市場ではイールドカーブがどのような形になるかを把握し、ポジションを整理しようとする動きが続いている」と述べた。
原題:Treasuries Post Biggest Weekly Gain Since July as Fed BetsPared(抜粋)
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更新日時: 2013/09/21 06:44 JST