【ワシントン=岩本昌子】米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つカンザスシティー連銀のジョージ総裁は20日、FOMCが18日の会合で量的緩和の縮小を先送りしたことについて、「FOMCへの市場の信頼の維持と政策の予測可能性が難しくなった」と指摘した。ニューヨーク市内で記者団に対して語ったと、米ダウ・ジョーンズ通信が報じた。
同総裁は今年のFOMC会合すべてで反対票を投じている。18日の決定については、「現時点で(米経済改善の)証拠がもっと出てくるのを待つのは、これまでの改善ぶりを不必要に過小評価し、起こり得る過度の物価上昇などの危険を過小評価している」と批判。市場を混乱させたと指摘した。
一方、同じく投票メンバーでセントルイス連銀総裁のブラード氏は、資産購入ペースの縮小を見送ったことは「FOMCへの信頼度を高めた」と反対の意見を表明。今回の決定は金融政策は米経済情勢に従って決められていることを裏付けたとの見解を示した。また、今回の決定は「非常に僅差の決断だった」ことを明らかにし、「購入縮小開始の方向に傾けるのは、それほど大したことではないだろう」と語った。
その上で、次回10月のFOMCではバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による記者会見がないことから、市場の一部は購入縮小開始の可能性は少ないと予測していることに対して、「10月の会合も重要度は同じ。FOMCが政策を変更したいと考えれば、それは起こる」と念を押した。
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