校長室より

校長室より 「推薦入試が行われました」

本日は、市邨高校推薦入試の日でした。
朝8時の気温は0度、よく晴れて風は無かったのですが、身を切るような寒さの中、
本校職員総出で、受験生の皆さんを出迎え、会場に案内しました。

緊張した面持ちの受験生の皆さんを直接試験会場に案内し、暖かな教室で9時の試験開始を待ってもらいました。
三教科の筆記試験に続き、面接試験が行われました。

試験が終わって校舎をあとにする受験生の皆さんは、ホッとした穏やかな表情になっていました。
「さようなら、お疲れ様でした」
2月2日の合格発表が待ち遠しいですね。



校長室より 「大学入試センター試験が終わりました」

14,15日両日にわたるセンター試験が終わりました。3年生の受験生徒の皆さんお疲れ様でした。
今日の自己採点の結果、「予定通りの点数がとれたよ」という声に隠れて、「しまったなあ」と悔やんでる人も多いはず。ここは意思を強く持って、志望校を判断してください。ここが「忍」のこころで粘り強さを発揮するときです。
君にも、あなたにも、期待しています。


校長室より 「平成24年年頭のあいさつ」

明けましておめでとうございます。
今年の学校の始まりは、1月10日です。ずいぶん遅い始まりとなりました。本校は2期制なので、始業式はありません。高校生全員がグラウンドに集合して、生徒会役員の認証式が行われました。その中で、校長が年頭の挨拶を述べる機会がありましたのでその内容を以下に掲載します。
朝早く寒い中でしたが、よく聴いてくれました。

 明けましておめでとうございます。
 新しい年を迎えてもう10日になりますが、こうして生徒諸君の元気な姿を見ることができ、嬉しく思います。 充実した18日間の冬休みを過ごしたことと思います。
 生徒会役員の認証式にあたり新会長さんに認証状を渡しました。昨年の生徒会の活躍を見ていますと、本当に一生懸命で生徒諸君を引っ張ってくれていました。感心すると共にありがたく思っています。新しい役員の皆さんも、市邨高校が一丸となって進んでいくよう、先頭に立って頑張って欲しいと思います。

さて、年頭に当たっていくつかの話をしたいと思います。
 昨年は大変な年でした。東日本大震災で大きな被害を受け、福島原発の惨事があり、そこからの復興が言われながらもその道は遠く、復興は思うように進んでいません。今年こそ一歩でも二歩でも進めないと、日本は本当に壊れそうです。
 おそらく日本はこの先何年にもわたって大震災で失われた経済と組織と信頼を回復する努力をし続けなければなりません。そのために学校が何ができるか、生徒が教員が何をするべきかを考える必要があります。

 高校生と保護者に対するある調査によれば、大学進学を目指す高校生の多くは、何のために勉強するかという問いに対して、とりあえず大学に入るために、その後で、仕事ができるようになるためにと思っているそうです。それに対して、保護者は社会に出てから自分らしく生きることができるように勉強を続けて欲しいと、考えています。学ぶということに対する考え方が、親としては子どもの生涯にわたる生きる力をつけるものと考えていて、生徒は短い期間で学習をとらえているようです。皆さんはどうですか。
 中学生に対する調査では、10年後の将来に対して不安があるかどうか聞いたところ、不安があるという人が70%、その内容は、「ちゃんと仕事があるかどうか」「生活できるか不安」「原発問題など日本の将来が不安」というものです。それでも、大人になったらもっともやりたいこととして、「仕事をしたい」と考えている人が80%だったそうです。大震災や原発事故それに対する政治や社会の対応をよく見ていて、将来に不安を感じながらも、自分でも何とかしようと考えている姿勢が伺えます。
 そのような状況の中で、学校は何ができるでしょうか。学校は君たちに学力をつけたいと考えています。それは、社会や自然や人間に対する知識を身につけることであり、自分で考えたり判断したりする力をつけることであり、それを表現すること、人と共に協力することができるコミュニケーション力です。それは、日々の授業だけでなく、部活動や生徒会活動など日常の学校生活の中で獲得できると考えています。
 今、本校に君たちに私がいうような学力をつけるだけの力、つまり、学校の力、学校力といいたいですが、その学校力が充分だろうか、もっともっと学校力をつけなければならないと思っています。
 新たな年を迎えて、そのような学校力を更に充実させ、増大させることを全校挙げて取り組みたいと思います。一人一人が努力すると共に、そのような仕組みや方法を整えていくということです。

 もう一つ言いたいことは、正義についてです。
 20年くらい前、私が教師として迷っていたときに出会った詩を聞いてください。小学生の書いた詩です。題は、「チューインガム一つ」※といいます。

 チューインガム一つ        三年 村井安子
 せんせい おこらんとって
 せんせい おこらんとってね
 わたし ものすごくわるいことした

 わたし おみせやさんの
 チューンガムとってん
 一年生の子とふたりで
 チューインガムとってしもてん
 すぐ みつかってしもた
 きっと かみさんが
 おばさんにしらせたんや
 わたし ものもいわれへん
 からだが おもちゃみたいに
 カタカタふるえるねん

 わたしが一年生の子に
 「とり」いうてん
 一年生の子が
 「あんたもとり」いうたけど
 わたしはみつかったらいややから
 いややいうた

 一年生の子がとった

 でも わたしがわるい
 その子の百ばいも千ばいもわるい
 わるい
 わるい
 わるい
 わたしがわるい
 おかあちゃんに
 みつからへんとおもとったのに
 やっぱり すぐ みつかった
 あんなこわいおかあちゃんのかお見たことない
 しぬくらいたたかれて
 「こんな子 うちの子とちがう 出ていき」
 おかあちゃんはなきながら
 そないいうねん

 わたし ひとりで出ていってん
 いつでもいくこうえんにいったら
 よその国へいったみたいな気がしたよ せんせい
 どこかへ いってしまお とおもた
 でも なんぼあるいても
 どこへもいくとこあらへん
 なんぼ かんがえても
 あしばっかりふるえて
 なんにも かんがえられへん
 おそうに うちへかえって
 さかなみたいにおかあちゃんにあやまってん
 けど おかあちゃんは
 あたしのかおを見て ないてばかりいる
 わたしは どうして
 あんなわるいことしてんやろ

 もう二日もたっているのに
 おかあちゃんは
 まだ さみしそうにないている
 せんせい どないしょう

 この詩は、小学校三年生の子が書きました。
 初め、「チューインガムを盗んだ。もうしないから、先生、ごめんしてください」という意味の簡単な紙切れを先生の所に持ってきたそうです。先生は、その紙切れを見て、「安子ちゃん、ほんとうのことを書こうな」と言って、ふたりで何時間も向き合ったそうです。自分が盗みをしたという行為と向き合うことはほんとうに辛いことです。ですから、安子ちゃんは、許しを請うことによってその苦しさから解放されようとした。でもそれでは、ほんとうの人間としての自立はないと先生は思った。一字書いては泣き、一行書いては泣いた。泣いている時間の方がはるかに長かった。ふたりの間に言葉のやりとりはなかったそうです。
 「どんな小さなことでも、悪いことをすれば永久にその罪は消えないのです。それを一生持って生きていくのが人間の生きていくすべてだ」と、その先生は言います。チューインガム一つは些細なことです。でも、悪いことです。
 何故このような話をするかというと、私自身が小学五年生の時、親の財布から百円札を取ったことがあり、それがばれて叱られ、家出をしようとしたことがあったのです。叱られているときより、一人でいるときの方が辛かった。私は後悔し、どうしたら許してもらえるかと思ったが、そんな許してもらおうと考える自分がなお一層許せなかった。そして二度と悪いことはしないと自分に誓った。それから大人になって、その記憶は薄れ、教員になりました。そして教師として悩み、迷うことが多くなったとき、この詩に出会ったのです。子供の頃の記憶が呼び覚まされ、涙が止まりませんでした。
 何が良いことで、何が悪いことかは、誰でもわかっています。でも、悪いことをしたとき、それが悪いことと感じる力は、許してもらうことからは得られない。悪いことをした自分とキチンと向き合うこと、これは苦しい、辛いことです。誰に許してもらっても、悪いことをした自分がいることは、自分が一番知っている。たとえ神様がいて許してくれたとしても、自分だけは悪い自分を知っているのです。悪い自分がいるということ、これを持って生きるしかない。悪いことを悪いことと感じる力が人間になるためには必要なのです。悪いことを悪いことと言える、そして、悪いことをしない人間になる、悪いことを許さない人間になる、これが今、勉強ができるようになること以上に大切なことだと考えています。
 正義について話したかったのです。正義とは、正しいことを行うことと思われていますが、私は、それよりまず、悪いことをしない、悪いことを憎むということが、正義の出発点ではないかと思っています。

 学校力をつけようという話と正義について話をしました。
 さあ、今年こそ、寒さに負けないで力強く生きていく年にしましょう。

                              ※「わたしの出会った子どもたち」(灰谷健次郎;角川文庫)より


校長室より 「明けましておめでとうございます」

 新年明けましておめでとうございます。
 本年も名古屋経済大学市邨高等学校・中学校にご注目下さい。
 2012年が皆様にとっていい年でありますように祈念します。

 元日は、曇りがちな天気でしたが、お日様を時々拝むことが出来ました。
 日の出と、日の入りを画像に納めるチャンスを得ました。


                       知多半島から見た元旦の日の出

  伊勢の海に沈む太陽                              夕日に祈る二人の未来は如何?


校長室より 「吹奏楽部定期演奏会に行きました」

 昨日(27日)、本校吹奏楽部の第10回定期演奏会に行きました。午後5時開演の中京大学文化市民会館プルニエホールに着いたときにはほぼ満席、本校の生徒や他校の生徒、卒業生を中心に吹奏楽に関心のある多くのファンや保護者の方々の応援得て、暖かい雰囲気でした。私は席に案内していただいてゆっくり聴くことができました。
 演奏はクラシック部門から始まり、ドリルステージ、ポップスへと続きました。クラシックでは始めから吹奏楽らしい楽しい演奏に引き込まれました。各パートの演奏がしっかりしていて安心してそのハーモニーに浸ることができました。特に「くるみ割り人形」はこの季節にはなじみの曲で、華やかで伸びやかな演奏に聴き入りました。ありがとうございました。
 会場の外は寒風が吹いていましたが、吹奏楽を通じて、高校生・中学生たちの学校を越えた暖かい交流が感じられ、私自身もなにか暖かいものを貰ったように感じました。
 指導してくださっている顧問の先生方や応援に駆けつけてくださったOBの方々に感謝します。