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日韓グリッド接続構想の展望は 増田寛也氏に聞く
日本創成会議 座長

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2011/12/29 7:00
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 スーパーグリッドをアジア大洋州地域で築く第一歩として、日韓の接続を掲げた日本創成会議。座長を務める増田寛也・元総務相に狙いや今後の展望を聞いた。

日本創成会議の増田寛也座長

日本創成会議の増田寛也座長

民間ベースで推進

 ――日本創成会議として2011年10月にまとめた初の提言でグリッド接続を取り上げた。

 「まず韓国とのコネクション(接続)を一番急ぐべきだと考えている。当初、日本が接続する相手として考えられるのは韓国か台湾だが、台湾は政治的にハードルが高い。(地理的には)韓国が一番近い」

 ――具体的な接続の地点や投資額は。

 「費用としては200億~300億円程度でできる。日本の地点は九州でしょう。韓国側のどこであげるかは先方の判断になるが、福岡と釜山が最短ルートにはなる。距離で言うと200キロメートルくらい。欧州では600キロくらいで海底ケーブルですでに送電しているので、欧州から見れば至近距離だ。欧州では北海とかバルト海とかに海底ケーブルを通して相互接続している国々があり、技術的には全く問題ない」

 ――実現の目標時期は。

 「2015年から20年までの間にめどを付けたい。そのためにも、できるだけ早く韓国との協議を始めたい。放置しておくと、アジア地域のグリッド接続プロジェクトを欧州勢に取られる可能性もある」

 ――韓国とどうやって電力をやり取りするのか。

 「海底ケーブルを介して直流送電する。電気を使う段階で交流に変換する。この融通体制は基本的にはバックアップ用だ。夏や冬場の本格的なピーク時に、互いに電力を融通できる体制を整えておく。(計画停電などをせずに)企業が生産活動を継続できるメリットは大きい」

 ――グリッドを相互接続しただけでは、電力は融通できない。

 「国内の電力体制を変える必要がある。日本には電力会社の地域独占とか、家庭も含めた小売りの体制など様々な課題がある。これらを引き続き真正面から議論するのはいいとして、外国と結ぶことで国内体制を変える勢いをつけようという意味合いもある。日本はやはり、外からの動きで変わっていく面がある。だから、韓国との話はできるだけはやく進めたい」

 「2015年にかけて国内の電力自由化問題をどうするかも含めて議論を前進させ、海外から電力の融通を受けやすい形にする必要がある。再生可能エネルギーで生み出した電力の全量を電力会社が固定価格で買い取る制度も来年始まる。これによって(電力融通を含むビジネスへの)新規参入企業も現れるだろう。我々はそうした動きも踏まえて、具体的な計画をまとめていく」

 ――民間ベースでやるのか。

 「国も財政状況が厳しいし、民間でやるべきだ。そもそも、日本の電力体制は民間ということになっている。欧州では電力網接続が民間事業として先行していて、投資対象になっている。いろんなファンドのカネも含めて資金を調達してやるのが普通のやり方になっている。長期で安定的に投下資金を回収できるモデルを作ることが重要だ」

 「どれくらいの費用がかかって、どのような料金体系になるのか、といった具体的なイメージを、今後の韓国側との話し合いなどで詰めていきたい」

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