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【愛知】

被爆 偏見に苦しむ 長崎出身の高井さん語る

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 長崎の原爆投下で被爆した高井ツタエさん(77)=写真、名古屋市緑区=の講演会が二十二日、緑区潮見が丘のJAみどりであり、百人が耳を傾けた。

 講演会は、平和美術展の一環。高井さんは一九四五(昭和二十)年八月九日、長崎市内の自宅の土間で兄弟と遊んでいて被爆。家族は無事だったが、原爆症への偏見に苦しみ続けた。

 「被爆者と分かると『病気がうつる』と言われ職場を追われた。恋人もいたが相手の両親から被爆を理由に結婚を反対された」。高井さんは偏見から逃れようと、ゆかりのない名古屋に移り住んだ。

 その後も高井さんは被爆者であることを周囲に明かさなかった。だが、二〇一一年三月の福島第一原発事故をきっかけに、家族に告白した。

 「原爆の悲劇をなくそうというのに、原発を再稼働させるなんて許せない。生きている限り、自分の体験を皆さんに訴えていく」と語った。

 平和美術展は地元住民らでつくる実行委主催で二十一、二十二の両日開かれた。絵画、写真、書、手工芸など三百五十点が並び、原爆被害を伝える写真や、福島県飯舘村の写真なども展示された。

 (坪井千隼)

 

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