5号館のつぶやき

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大学公式ページでのGoogleMap禁止令と彩雲

 便利なので大学のホーム・ページなどでもアクセス情報にGoogleMapなどを使っているところが増えてきています。

 ところが、今日そうしたホーム・ページなどで「領土等が正しく表示されていない地図」を使っている場合には「利用を停止し,PDFに差し替えるなどして正しい地図情報を掲載願います」というお触れが回ってきました。

 一瞬なんのことか意味がわからなかったのですが、添付されていた国土地理院の資料「領土等が正しく 領土等が正しく 領土等が正しく 表示 されてい されてい されてい ない地図の例 ない地図の例」を見て、疑問は氷解しました。
 南や北でロシアや韓国、中国と領土問題が生じている地域に関して、日本が主張している領土をそのまま表記していない地図は「正しくない地図」として使うことを中止するようにとの勧告のようです。

 GoogleMapなどで大学周辺の地図を表示している場合には、表示領域をどんどん拡げていくことができます。そうすると、この資料に出ている竹島、尖閣諸島、北方四島などもその地図から展開表示させることができます。その地図の表記が「正しいか、誤っているか」をチェックせよというお達しなのです。

 北大の某研究室で使われているGoogleMapから竹島と北方四島まで「旅してみた」ところ、竹島の表示は竹島と出たのですが、北方四島は日本名で「「歯舞群島」「歯舞群島」「国後島」「択捉島」等と表記されているが、ロシア語名等が併記されている」例に相当することがわかりました。

 要するに、GoogleMapを大学の公式ページで使わないようにということになります。

 メールには「各国立大学法人が運用しているホームページにおいて,Webサービスの地図等地理情報(GIS)を利用している場合に,そのGISが正しい表示になっているかどうか至急確認し,必要に応じてWebサービスの停止,改修等を実施するよう通知がありました」と書かれていますが、その通知がどこからあったのかは書かれておりません。しかし、大学の事務に「通知」することができるところは限られているとおもいますので、おそらく想像は当たっていると思います。

 それにしても、この些細なところに注目した「通知」はどうもいただけません。

 なんともやるせない気持ちになって空を見ると、雲が虹色に光っているようです。
 これがかの「彩雲」というものかと急いでシャッターを切りました。

 ほんの数分間のことでしたが、虹は確かに見えました。
 これが吉兆であることを祈りつつ・・・。





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by stochinai | 2013-09-02 20:27 | 大学・高等教育 | Trackback | Comments(9)
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Commented by 通りすがり at 2013-09-19 22:22 x
些細なこととおっしゃるのでしたら、
他人にあなたの土地を占有されて20年で時効取得されても
あなたにとっては些細なことなんでしょうね。
Commented by 通りすがり2 at 2013-09-20 01:02 x
>他人にあなたの土地を占有されて20年で時効取得されても
>あなたにとっては些細なことなんでしょうね。
的外れ。バカはっこんでろ。

北方領土や何かが、大学の敷地表示に一体なんの関係があろう?
そもそも領土問題があるような所に日本の大学が設置できるだろうか?

領土問題を口実にした、Googleの排除でしかない。
Commented by 通りすがり at 2013-09-20 01:13 x
樺太の事も、たまには思い出してあげてください。
Commented by stochinai at 2013-09-20 07:09
ヒトが地球に出現する前から存在する地球のあちこちに勝手に線を引いてその領有権を主張して、時には殺し合いをするということ自体、私には滑稽な営みに思えます。ほんとうの意味でのグローバル化を主張するならば、文科省には国境紛争を遥かに越えた高い思想と理想を持ってもらいたいと思っています。
Commented by hoge at 2013-09-20 13:34 x
私立大学に対する文科省からのお達しでしょうか。
仮にそうなら、今回の対応が適切なのか少し疑問に感じますが、一点だけ
> 文科省には国境紛争を遥かに越えた高い思想と理想を持ってもらいたいと思っています。
端的に言って、それは日本の省庁が扱うべき仕事の範疇じゃないと思います。
Commented by ぽんぽこりん at 2013-09-21 06:59 x
文科省の人には「国境紛争を遥かに越えた高い思想と理想」を持っていてほしいですが、お仕事の遂行は現実にある問題を踏まえつつしてほしいです。理想に徹するのは役人の仕事ではないでしょう。そういうことは宗教家か思想家にまかせておけばよいと思います。
Commented by トリ at 2013-09-22 06:51 x
ささいなことと放置していたら、
既成事実化されてしまった。
ささいなことと長年あやふやにしていたら、
勝手に海洋開発開始されてしまった。
一応返してねと交渉を続けていても、
いまだ帰ってこず、その間にそこが故郷となる
外国人がたくさん生まれてしまった。

個人の土地や賃貸の部屋を割り振るのも、
人間が勝手にやっていること。
ささいなことなので他人が入ってきても、
グローバリズムで放置しますかね?
Commented by stochinai at 2013-09-22 08:35
外国の人が勝手に作った地図の上で放置することと、現実に土地を放棄することを混ぜあわせては議論になりません。戦後ずっと領土問題を「棚上げ」してきたのは、政府・官僚組織であり、その人達が実際の問題には手を付けず、領土問題にはほとんど影響を持たない我々の外国で発行されている地図の使用という「ささいな」ことに口をだすのが滑稽であり意味のないことだと申し上げております。
Commented by 許容度の低い社会に反対 at 2013-09-22 14:21 x
じゃあ文科省の内々の通知に賛同する人は、グーグルマップやヤフー地図などを使わないの?使ってるだろう。普段は全くこんなことは気にせず使ってるだろう。気になるのは、地図上でそういった表示がされた時や、そういう記事がある時だけだろう。普通の目的の時に気にすることは、まず全くない。にも拘らず賛同、凄いダブルスタンダードだね。

要するに、そういう人たちは国粋主義者のある程度の割合の人たちな訳だけど、途方もなく許容度が低い。国粋主義に資する方向なら何でも賛同、資さないなら何でも反対。彼らの基準は単にこれしかない。そんなのが跋扈したら、社会は異常になるに決まっている。

グーグルマップやヤフー地図は、非常に有用性利便性が高く、プライバシー問題などがあるものの、社会の役に大いに立っている。ならばそれを使えばよい。ただそれだけだ。そこに許容度の低い、低劣な感性が入り込む余地は、本来的にはない。
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