◇マンシング東海<最終日>
▽22日、愛知県・新南愛知CC(6399ヤード、パー72)▽晴れ、気温27・6度、風速2メートル▽賞金総額8000万円、優勝1440万円▽52選手▽観衆8960人
横峯さくら(27)=エプソン=がツアー通算20勝目を飾った。首位タイからスタートし、7バーディー、2ボギーの67でラウンド。通算15アンダーで2位に2打差をつけ、5月のサイバーエージェントレディス以来4カ月半ぶりの今季2勝目を挙げた。これで生涯獲得賞金が国内女子ツアー史上3人目となる9億円を突破、今季賞金ランクは2位に浮上した。13アンダーの2位には藤本麻子(23)=富士通=ら3人が入った。
「長い1日」。さくらはそう振り返った。通算19勝目となった5月のサイバーエージェントレディス以来の最終日最終組。20勝目への最後の18ホールは、確かに長かった。
前半は5バーディー、ノーボギーの快進撃。9番で5メートルのバーディーパットを決めて2位と4打差になり、ギャラリーの大半が「これで優勝はさくら」と確信した。だが、10番と12番で3パットボギー。「後から思えば緊張してた。ちゃんとストロークできてなかった。ただ、並ばれてもまだトップは譲っていないって、気持ちを切らさなかった」。13番でピンそば80センチにつけ、再び単独首位に。
そして14番パー4。大きく右へ飛んだティーショットは、あぐらをかいて座っていた女性ギャラリーの太ももの上で止まった。「ラッキーだった。前に木があったので、転がっていたらグリーンを狙えなかったかも」。無罰でその場にドロップ、第2打はグリーン手前のラフにつかまったが、3メートルのパーパットを決めた。
「あのパットを打つ前に、やっと自分が緊張していることを受け入れることができた。そこまでは多分、そう思いたくなかったんだと。ようやく自分と向き合えた」。15番では今週の好調ぶりを象徴するようなパッティングで5メートルを沈めてバーディー。ラスト3ホールはVへ向かって敷かれたレールを着実に進み、ゴールした。
「節目の20勝。前は仕事として優勝したい、ツアーを盛り上げなきゃ、という義務感もあったけれど、今は目の前の1勝にどん欲にできてる」。もう「若手」と呼ばれる時代を過ぎ「これからのゴルフ人生を充実させたいという気持ちがある」という。
2度目の賞金女王も射程圏に入った。永久シード入りの30勝も見えてきた。「結婚願望は変わらずあります。ゴルフと両立できたらすてきですね」と、柔らかな笑みをたたえた。(月橋文美)
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