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【モータースポーツ】

<今宮純の目>シンガポールには“ラバーグリップ”という魔物が潜む 第13戦シンガポールGP予選編

2013年9月23日 9時8分

 ベッテルが危うく昨年の二の舞いを演じるところだった。フリー走行3回目まで異次元の速さを見せながら、路面と気温コンディション変化に足をすくわれてPPを取り逃がし、ハミルトン、マルドナドに次ぐ3番手に終わったことだ。

 今大会、金曜から群を抜く速さを見せてきたベッテルは予選Q3の残り6分で、1分42秒841をマーク。チームはこれでPPはいただき! と判断。ベッテルはマシンを降りた。が、残り時間はまだ5分あまりもあり、ライバル勢はこれから2本目のアタックにくるという状況。その時点で2番手のロズベルグに0・590秒差というセーフティーリードを築いていたものの、いかんせんこのマリーナベイには、突然の路面コンディション変化というとんでもない魔物が潜んでいる。

 今週末はまだ一度も雨が降っておらず、各マシンが路面に貼り付けたタイヤのラバーが一度も流されていない。時を追うごとに路面のグリップ力(接地力)がアップしており、いつその爆発的効果が発生するか分からないのだ。昨年もQ1はグロジャンが、Q2、Q3はハミルトンがベッテルの首位をひっくり返した。両者ともアタック2本目の勝負で、ラバーグリップ効果を最大に利用できるラストの時間帯を狙ったのだ。

 そして今回のロズベルグ、グロジャンも同様。ともに1本目より限界点を極めるアタックでセクターベストをマークし、ピットで傍観するベッテルを脅かした。ロズベルグは惜しくも0.091秒及ばず2番手、グロジャンはウェーバーを0.094秒上回って今季ベストタイの3番手。メルセデスとロータスは路面変化をしたたかに読み込んで、最速ベッテルを追い込んでみせたのだ。

 それにしても、レッドブルは一本勝負を選択するなら、もっと後でコースインすれば、ここまで追い込まれることはなかったのに。それも、絶対的な速さに自信があったことの裏返しの現象か。いずれにしろ、陣営はキモを冷やしたことだろう。

 

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