韓国タイヤは、15年に完成する大徳研究所を研究機能だけではなく、会社のブランドを代表するシンボルとして企画している。世界的な建築家、ノーマン・フォスター氏が設立した「フォスター・アンド・パートナーズ」に設計を依頼し、オートメーションのタイヤ保存システムをはじめとする7階建ての先端施設として設計している。研究人材も現在の800人から1600人にまで増やす。
昨年の売上高基準で世界23位になったネクセンタイヤも、2018年には世界10位圏内に進入することを目標にR&D人材の拡充を急いでいる。現在研究人材は350人程度だが、来年には400人にまで増やす計画だ。昨年450億ウォン(約40億円)だったR&Dの投資額も、今年は600億ウォン(約54億円)と33%増加した。
■「量より質」でトップ圏を追撃
タイヤ業界は、世界的にも順位の変動が少ない業界として有名だ。ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーという創立から80-120年もたった3大メーカーが、1-3位を占める歴史が今も続いている。日本、米国、ドイツのメーカーが三つどもえの競争を演じる自動車業界とは対照的だ。こうした中、韓国の錦湖タイヤが10位圏内に進入したことは、業界の勢力図を書き換える大波乱と受け止められている。
しかし、これはあくまでも売上高基準であって、専門家たちは「依然として韓国のタイヤメーカーは品質と認知度の面で二流、あるいは三流に甘んじており、一流への道のりは長い」と指摘する。東部証券でアナリストを務めるイム・ウニョン氏は「ブリヂストンとミシュランの新商品は新車同然の関心を集めるが、韓国製のタイヤはまだそこまでいっていない。同じような品質であるにもかかわらず、1-3位のメーカーよりも20-25%安く供給しているのが現実だ。安い新興国用のタイヤだけではなく、技術力に裏打ちされた高性能タイヤに対する積極的な投資が必要な時期」と話した。