生命保険各社が介護保険の商品開発に力を入れている。住友生命保険や明治安田生命保険が近く新商品を投入、他生保も関連サービスの開発に取り組む。財政悪化で国の介護保険の縮小が見込まれるなか、民間保険の需要が増えているためだ。人口減少で国内生保市場も縮小しており、介護保険を今後の成長分野と位置付け、契約者の獲得を競う。
国が運営する公的介護保険は1割の自己負担で介護サービスが受けられる「現物給付型」だ。一方、民間の介護保険は一時金や年金として保険金を受け取る「現金給付型」で、自己負担額を補ったり公的制度の給付対象外のサービスを受ける費用に充てたりできる。
住友生命保険は25日から一定の介護状態が続いた場合に、死亡保障と同額の保険金を受け取れる商品を販売する。明治安田生命保険は9月から銀行窓口で介護保険の販売を始めた。第一生命保険も来年1月から介護保障の給付の条件を緩和し、将来回復の見込みがあっても一定の要介護状態が半年続けば保険金を受け取れるようにする。
民間の介護保険販売は好調だ。日本生命保険では新規契約件数が2013年4~6月で前年同期比26.2%増加。住友生命も介護保障特約を付けた主力商品が同11%伸びた。業界全体でみても、介護保険を含む第三分野の保険料収入が12年度は前年度比2.5%増の5兆3848億円と、6年連続で増えている。
背景には社会保障制度の縮小による要介護者の負担増がある。厚生労働省によると11年度には過去最高の531万人が介護が必要と認定された。税金と保険料で賄う介護保険の公的な給付費は7兆6298億円と過去最高額に膨らんでおり、財政悪化で政府は自己負担額を増やす方針だ。
生保業界では少子化や独身者の増加で、死亡保険の需要が減り続けている。対して、民間介護保険の世帯加入率はまだ14.2%と低く「今後成長余地が大きい」(根岸秋男・明治安田生命社長)との声が多い。
介護保険は後に保険金が支払われる確率が高い商品なため、一般に保険料が高いとされる。契約者の条件次第では保険料負担がかさむ場合もある。介護が必要になった際の必要額と貯蓄額を考えて加入する必要がある。
各社は関連サービスも強化する。明治安田生命は東京都内の有料老人ホームを買収。日本生命も介護最大手のニチイ学館と組み、契約者向けの無料相談を手掛ける。将来は保険会社が介護サービス業者を紹介し、保険金を直接業者に支払うなどの新商品の開発も検討している。
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