広島大学原爆放射線医科学研究所の稲葉俊哉教授と本田浩章教授らの研究チームは、原爆などで放射線の被曝(ひばく)を受けた後に発症した白血病の患者から病気の原因となる遺伝子を発見した。放射線被曝を受けた人が将来、白血病や血液疾患になるかどうか診断できるようになる。10日付の米科学誌キャンサー・セル(電子版)に論文を発表した。
研究チームは広島と長崎の原爆被爆者や放射線治療を受けた患者が、白血病や造血障害を起こす骨髄異形成症候群(MDS)になった場合を調べた。その結果、7番染色体にある「Samd9L」という遺伝子の一部が欠けていると、白血病などに関係が深いことが分かった。病気になる仕組みは詳しく分からないが、血液をうまく作る働きが失われた可能性があるとみられる。
この遺伝子を人為的に欠損したマウスを作製して25カ月にわたって観察したところ12カ月目以降、急速に生存率が低下した。マウスの死因のほとんどがMDSなどの骨髄球性白血病で、25カ月後には約6割が死亡した。正常なマウスが白血病で死亡する確率は7%程度だった。
マウスの年齢の数十倍が人間の年齢とされている。放射線被曝でSamd9Lなどに異常が起きた場合、人間では十数年後に白血病などを発症する可能性があるという。
稲葉俊哉、本田浩章、白血病、MDS、広島大学原爆放射線医科学研究所
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