【伊藤唯行】高度経済成長期の通勤・通学ラッシュを支えた旧国鉄の「101系」車両が、完全に引退する。JRでの運行を終えた後も、埼玉県北部を走る秩父鉄道で3編成が現役で走ってきたが、老朽化が進行。来年3月までに退くことになった。
101系は1957(昭和32)年に登場し、約1500両が製造された。なめらかな加速、減速が走りの特徴で、明るい照明や扇風機など、当時としては最新の設備を搭載。首都圏や京阪神で通勤、通学客を運ぶ中央線や山手線、京浜東北線、大阪環状線などで活躍した。
鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「今のJRの基礎をつくった車両。走りもサービスも一新され画期的だった」と語る。