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29日投開票の堺市長選について、朝日新聞社は21、22の両日、堺市内の有権者に電話調査し、取材による情報と合わせて情勢を探った。現職の竹山修身(おさみ)氏がやや優勢で、地域政党の大阪維新の会副幹事長の西林克敏氏が激しく追っている。ただ、有権者の4割が投票態度を明らかにしておらず、情勢が変わる可能性もある。
竹山氏に対しては民主が推薦し、自民が支持しているのに加え、共産と社民が独自に支援している。投票態度を明らかにした人を分析すると、竹山氏は自民支持層の7割、民主支持層と共産支持層の大部分を固めた。無党派層からは7割の支持を集めている。
西林氏は日本維新の会支持層の9割をまとめた。しかし、昨年12月の衆院選では維新と選挙協力したものの、堺市長選では自主投票を決めた公明の支持層には浸透できていない。
情勢調査と合わせて行った世論調査では、争点となっている大阪都構想の賛否を聞いた。「大阪市と堺市を廃止し、新たな特別区に再編する大阪都構想に賛成か、反対か」との質問に対し、賛成は19%で、反対の44%が上回った。「その他・答えない」は37%だった。
一方、都構想が実現すれば、住民サービスが「よくなると思う」と答えた人は11%にとどまり、「悪くなると思う」の23%の方が多かった。「変わらない」は40%にのぼり、「その他・答えない」は26%だった。
日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長の政治手法については「評価する」「評価しない」がともに36%で並んだ。「その他・答えない」は28%だった。
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<調査方法> コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式。世帯用と判明した番号は1983件、有効回答は1192人。回答率は60%。
■堺市長選の候補者
(届け出順。カッコ内数字は当選回数。〈 〉内政党は推薦・支持で、候補者側の同意があるものを掲載)
竹山修身(たけやまおさみ) 63 無現(1) 〈元〉府部長 〈自〉〈民〉
西林克敏(にしばやしかつとし) 43 維新 党副幹事長