![](/contents/138/295/296.mime1) |
![](/contents/138/295/296.mime1) |
光信号は、光ファイバー中で減衰 |
光ファイバーは、窓ガラスと比べて、光信号に対して高い透過性を持っています。それでも距離を進むにつれて光信号は弱まっていきます。
たとえば、100kmの光ファイバーを進むと、光信号の強さ(光パワー)は約1000分の1になります。
※1550nmの光信号に対し1kmあたり0.3dBの減衰量(ロス)を持つ一般的なシングルモードファイバーの場合
当社の光伝送装置は、長距離の光ファイバーで通信できるように、十分強い光信号を送信し、弱まった光信号も高感度に検知します。(対応できる距離は、機種により異なります)
![](/contents/138/295/296.mime1) |
![](/contents/138/295/296.mime1) |
光パワーとロスの計算方法 |
ロスは一般に、「dB(デシベル)」という単位を使って表されます。
ロス(dB)=-10×log10(出力光パワー/入力光パワー)
例)光ファイバーのロスで光パワーが1/1000に減衰する場合、dBで表示すると
-10×log10 1/1000=-10×(-3)=30(dB)
光ファイバーの1kmあたりのロスが分かっていれば、長さを掛け算して伝送路全体のロスを見積もることができます。
例)光ファイバー1kmあたり0.3dBのロスで、長さが80kmの場合の伝送路のロスは
0.3(dB/km)×80(km)=24(dB)
光伝送装置の仕様には、伝送可能なロスの値(許容ロス)が記載されています。伝送路のロスが、光伝送装置の許容ロス以下であれば、その装置を使うことができます。
例)伝送路のロスが24dBの場合、許容ロス25dBの光伝送装置を使えるか検討
伝送路のロス24dB≦装置の許容ロス25dB⇒使用可
※お客様の内規・ポリシーにより、マージンの確保が必要な場合があります。
![](/contents/138/295/296.mime1) |
![](/contents/138/295/296.mime1) |
伝送距離と波長分散の計算方法 |
1550nm付近の波長を使う伝送装置では、波長分散によっても伝送距離が制限されることがあります。波長分散とは、波長の差によってシングルモードファイバー中を進む速度が異なるため、長距離伝送後に光信号の品質が劣化する現象です。
波長分散は、「ps/nm(ピコセック・パー・ナノメートル)」という単位を使って表されます。
光ファイバーの1kmあたりの波長分散が分かっていれば、長さを掛け算して伝送路全体の波長分散を見積もることができます。
例)光ファイバー1kmあたり+20ps/nmの波長分散で、長さが80kmの場合、
+20(ps/nm/km)×80(km)=+1600(ps/nm)
光伝送装置の仕様には、伝送可能な波長分散の値(分散耐力)が記載されています。光伝送装置の分散耐力が、伝送路の波長分散の範囲内であれば、その装置を使うことができます。
例)伝送路の波長分散が+1600ps/nmの場合、
装置の分散耐力-300〜+1600ps/nm⇒使用可
装置の分散耐力0〜+1400ps/nm⇒使用不可
![](/contents/138/295/296.mime1) |
![](/contents/138/295/296.mime1) |
伝送距離計算についての補足 |
当社では光伝送装置の性能を、光ファイバーの長さではなく、許容ロスで仕様化しています。同じ距離の伝送路であっても、光ファイバーの古さや、敷設の際の曲げ方、コネクタでの損失、監視装置の配置などによりロスは大きく異なるためです。
特にダークファイバーを使って通信を行う場合、所望の区間で借用できる光ファイバーのロスを事前に確認しておく必要があります。また、2地点間の直線距離に比べ、大幅に迂回した経路の光ファイバーしか入手できない場合もあります。
一部の機種では、伝送路のロスが小さいと受信光パワーが強すぎて装置の故障や通信エラーを起こす場合があります。受信光パワーが仕様値を満たさない場合は、意図的に適切なロスを追加する「光アッテネーター」という器具を使用します。