女流書家 三玉香玲の公式ブログ『書道の美』

書家/書道講師。6歳より祖母の影響で書を始め、より専門的な知識を学び、高度な技術を習得するために師事し、師範を取得。中国及び日本の伝統書道を探求。

書道教室のご案内
三玉香玲書道教室

書道実技(基礎)+月1回お茶会開催 土曜午後クラス/13:30-17:00

場所:京王線 上北沢駅 徒歩1分 お問い合わせ

※上記の作品は画像をクリックすると大きくご覧頂けます。



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先日、ある撮影のお仕事がありました。
陽の関係もあり、朝からの撮影でしたが、日本人の自然
を愛で慈しむ、そのような感受の在り方を、先人は書に
おいて紡ぎ、受け継がれてきたと思うと、感慨深くなり
ました。


今は、日々、七転八倒しながら書と向き合った生活をし
ていますので、贅沢な書道との関わりを持てている感覚
ではないのですが、本来、書道は、その日の天候や自然
から享受される時間を味わえるものです。


そこはかとなく初夏の気配を感じるころとなりました。
新緑の季節を迎え、新たな気持ちで書作に励もう、そん
なことを思えた撮影でした。

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4月期 開設講座】


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  「小筆書道+ペン字」(初級者向け)

   書道実技(基礎)+月1回ペン字講義

   月2回 土曜日 14:00~18:00(フリータイム制)


   お問い合わせ:

   三玉香玲書道教室

   場所:京王線 上北沢駅 徒歩1分

   空席状況やお申し込みは、メールフォーム

   よりお問い合わせください。


継続中

  「大人のための書道」(初級者向け)

   書道実技(基礎)+月1回お茶会開催

   

   ①月2回 火曜日 10:30~12:00 現在、満席
   お問い合わせ:

   よみうりカルチャー 錦糸町 TEL03-5625-2131

   書道教室「大人のための書道」


   ②月4回 水曜日 10:00~11:30 残席わずか!
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   よみうりカルチャー 町田 TEL042-722-4030

   書道教室「大人のための書道」


   ③月2回 火曜日 18:45~20:30
   お問い合わせ:   

   朝日カルチャーセンター 立川 TEL042-527-6511

   書道教室「大人のための書道」


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寒さも少し和らいだようですが、いかがお過ごしですか。
私はというと、先週の木曜日から高熱が出てしまい、数
日間にわたって、朦朧としていました。


美文字ブームの昨今において、書き方の練習、綺麗に書
くためのコツなどを想像される方も多いと思いますが、
日本の文字が持つ本来の美しさよりも、ただ、合理性の
追求から正方形のマス目に合わせて画一的に書くという
ものになり、活字のような“垂直・平行に整っている文
字”が美しさの基準となっていることは、残念なことで
はあります。


なぜ、このような話になってしまったのかといいますと、
あるワークショップの資料をまさに今作っていまして、
日本の文字ということをテーマにおいて、行うことに
なっているからかもしれません。


ところで、“和風”ですが、“和風(やわかぜ)”とも用い
られます。
おだやかな風というのだそうです。
日本人の感性はこういうところにあるのだと思いました。



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先日のことですが、文房古玩 萬羽軒に伺わせて頂きまし
た。
店主の萬羽啓吾さんは、江戸時代の名筆として知られる
禅僧・良寛の書をはじめ、書の目利きとして知られてい
ます。
これまでに萬羽啓吾さんが見出した催馬楽(さいばら:
平安初期ごろに成立した歌謡の一つ)の掛け軸に記され
た文章が証拠となり、源氏物語の解釈が一部変更された
そうです。
昨年11月には、池田和臣先生との編著『あきのの帖―
良寛禅師萬葉摘録』を発売されました。
良寛が好みの万葉歌を仮名で抄出した「あきのゝ」帖は、
従来安田靭彦蔵本が知られていましたが、行方不明だった
竹内俊一旧蔵本が出現しました。竹内本「あきのゝ」
帖の全容を初めて公開しその伝来などを詳述した本です。




青簡舎HP
http://www.seikansha.co.jp/pc/index.html


ちなみに、竹内本の発見は読売新聞で掲載されていまし
たが、安田本の元の本であるのは確実で、良寛が書いた
ものである可能性が高いそうです。


読売新聞より


三寒四温を繰り返しながら季節は移り変わっていきます
が、文字の歴史もまた、幾多の時代を経てきました。
失ってしまったもの、新たに発見されたもの、長い年月
をかけて、繰り返し磨き上げられながら、作られてきた、
その文字の形を大切にしていきたい。そんなことを改め
て思わせてくれた、萬羽啓吾さんの本でした。


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3月に、「1日5分朝の「般若心経」写経手帖」(ナツメ
社)の刊行記念講座が、朝日カルチャーセンター 立川で
開催されます。
刊行記念講座は、書道の初心者や、写経を楽しみたいと
いう方に向けた内容となっています。
ご興味のある方は、事務局までお問い合わせ下さい。


朝日カルチャーセンター立川HP

http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=189839&userflg=0


日時:2013年3月21日(木) 19:00~20:45
会場:朝日カルチャーセンター 立川
お問合せ:042-527-6511



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先日、お仕事でお世話になっている方から、京都のお土
産で、平等院の栞を頂きました。
平等院は、古都京都の文化財として、世界遺産にも登録
されています。

さて、京ことばのひとつに、“はんなり”という言葉があ
りますが、語源は“花なり”の略とされ、上品で、明るく
はなやかなさまを言うのだそうです。

手の中に収まる“はんなり”とした栞から、京都の美意識
を感じさせられました。
普段は慌ただしさから、新幹線に乗って京都の街並みを
見ていますので、桜が見頃を迎える頃には、ゆっくりと
京都を訪ねてみたいと思っています。


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以前、このブログでもお話しさせて頂いた、経典を
書き写す、いわゆる“写経”というものがありますが、
現代の日本で写経と言えば、“般若心経”と言われる
ほど、一般的に知られている経典です。


さて、日本に仏教が伝来し、漢字が普及したという
ことは、意外に知られていないのかもしれません。
日本では、6世紀頃に仏教が伝来して以降、時代や
社会的な地位を問わず、多くの人々によって経典の
書写が行われてきました。
この頃、漢文は、日本の文化の中枢を担う文章と
されていました。
大陸から、漢訳仏典が日本に受容され、官立の写経
所では、写経事業が営まれ、写経生たちによって、
幾多の経典が書写され、多くの寺院に安置されて
いると言われています。
また、飛鳥・奈良時代の写経は、現在でも、何百巻
という単位で残っているということもあり、それだけ
でも、この写経事業の規模の大きさがしのばれます。


ところで、空海は、日本にはじめて真言密教を伝え、
日本の仏教文化に大きな影響を与えた人物として特に
有名で、日本書道史においても、三筆※(さんぴつ)
と呼ばれる能書家の一人として、敬意を持たれて
います。
※三筆(平安時代初期)・・・空海、橘逸勢、嵯峨天皇


そして、空海と言えば、“般若心経”が挙げられますが、
空海といえども、それは、日本人の書です。
日本人は古来、外から取り入れたものを、そのまま
使うことはせず、その時代に応じて、日本人の感性に
合うものを選び、使い分けてきたそうです。
それは、日本の文化の礎だと言えるのではないで
しょうか。


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本日より、東京国立博物館で、“書聖(しょせい)”と言わ
れる王羲之(おうぎし 303~361)の、実像に迫る展覧会が

はじまりました。
王羲之が書聖とまで言われる由縁は、“書を芸術にした男”
と記されているとおり、その功績からなるものですが、
それは、中国の道史のみならず、日本の書道史も、王羲
之の書が伝来したことではじまったといっても過言では
ない存在です。
奈良時代、そして平安時代の書の名手とされている人た
ちは、みな王羲之の書を手本としていました。


さて、本展で展示されている王羲之の書ですが、作品は
すべて、精巧な写しであるということは、意外に知られ
ていないのかもしれません。
現在、王羲之の書とされているものは、唐代以降に複写
したものと、石版や木板に模刻して制作された拓本(たく
ほん)と呼ばれているもののみが残され、王羲之の真跡は、
現存しないと言われています。
中国の歴代皇帝に愛された王羲之の書ですが、特に唐時
代の太宗(たいそう)皇帝が、全国に散在する王羲之の書
を収集し、崩御に際し、それらを副葬させたということ
や、戦乱などで失われてしまったとされています。
いずれにしても、作品が残っていないことが、神格化
されていることにもなっています。


この脈々と受け継がれている王羲之の書を見て思うこと
は、本当に美しい文字ということだけではなく、人を引
き付ける神秘性が字に表れているということです。
それは、小手先や理屈で書けるものではなく、“真善美”
と言われるように、真実にして善なるものとも言えるの
ではないでしょうか。


“時世は変わり、事がらが異なっても、感動の源は同じ
である。後世、これを読む人も、またこれらの文に心を
動かすことがあるであろう”


これは王羲之が、蘭亭序(らんていじょ)という書の作品
の末尾に書き記した言葉と言われています。


茶道の世界に千利休がいたように、そうした世紀の天才
と称された人たちの感性や技術を学び、後世に継承して
いこうとすることが、“道”のつく世界であり、そのひと
つに書道もありますが、昨今、美文字ブームということ
もありますので、書聖の書いた文字に興味を持たれた方
は、是非ご鑑賞をお勧めします。


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この新年、私は、昨年に写経指導を手掛けた書籍
『1日5分 朝の「般若心経」写経手帖』(ナツメ社)に
使用した、写経の納経に行って参りました。
ナツメ社HP


『納経』とは、お経を書き写して寺院に納めることで、
私は震災復興を祈念した写経も奉納させて頂きました。


さて、今年は巳年ですが、「巳」と「蛇」の違いにつ
いて、もとより干支というのは、今のように動物を
指しているものではありませんでした。
本来、巳年の「巳」という意味は「已(い)」、「止む」
という意味で、十二支を浸透させる目的で、庶民に
分かりやすいように動物が当てられたようです。
私の今年の書き初めは「無垢」という言葉としました。
まじり気や濁りがなく清浄であることの意で仏語ですが、
2013年を迎え、皆さんは何を心に描かれましたか。