【ブリュッセル=共同】オランダ・ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)は21日、シリア政府が化学兵器に関する申告を完了したと発表した。内容は明らかにされていない。米国とロシアがまとめた枠組み合意は化学兵器の全廃に向け、アサド政権に21日までに申告するよう求めていた。シリアはとりあえず期限を守った形で、合意の履行プロセスが動きだした。
ただ米ロ両国の要求は兵器のタイプや量から保管場所、生産施設に至るまでの「包括的なリスト」。申告内容の信ぴょう性も問題で、OPCWなどが精査を進める。
これまでアサド政権は、化学兵器の保有すら公には認めず、実態はベールに包まれたままだ。
米シンクタンク「軍備管理協会」によると、2004年に化学兵器禁止条約に加盟し、廃棄を進めるリビアは当初、保有量を約25トンと申告。だが、11年のカダフィ政権崩壊後、未申告の化学兵器貯蔵庫が発見され、廃棄完了がずれ込んでいる。
化学兵器は保管中の安全を保つなどの目的から、使用する際に2種類の化学物質を混合し、猛毒の化学剤に変化させる「バイナリー兵器」の形をとるものもある。
混合前の化学物質(前駆物質)には、兵器以外の用途に幅広く利用できるものがある。同じ「大量破壊兵器」である核兵器と比べ、民生用との区別ははるかに困難で、完全廃棄は一筋縄ではいかない。
バイナリー兵器の代表格は米軍がかつて保有していたM687砲弾だ。平時は比較的毒性の弱い2種類の液体を別々の容器に入れて砲弾内に収納。発射時の衝撃で容器の仕切りが壊れ、液体が混ざり合って神経ガスのサリンが生成される。シリアにもこうした形態の兵器がある可能性がある。
リビアでは前駆物質は約1300トンに達していた。シリアでも廃棄対象の線引きが問題となる。対象を広げればシリア側の反発を招き、廃棄計画が頓挫する恐れもある。
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