警察官の出番?
「差別ネットワーク」は6月6日の早朝、東横線&副都心線で「任意確認乗車」をした後、横浜駅南口で街頭演説をした。「任意確認乗車」では、とくに何事もなかったが、久しぶりの横浜での街宣では、警察官相手に「一悶着」あった。
5月17日と同様、大倉山駅でエリーさんと待ち合わせ。「任意の周知」ではなく、「ある一定期間、女性専用車両が5号車から1号車に変更されたことを周知した」ということだろう、ホームに警備員はいなかった。まあ、いてもいなくても関係ないのだが・・・声掛けもなく、スムーズに7時17分だかの「各駅」に乗車した。
本日の「女性専用車両限定広告」で〜す
レノンさんとは自由が丘駅のホームで8時に待ち合わせしているので、このままだと(かなり)早めに着いてしまう、武蔵小杉駅で「急行」に、多摩川駅で「各駅」に乗り換えて、時間調整した。しかし、それでもなお、早めに着いたので、ホームで(レノンさんを)待つことにした。待っている間、ジャンパーを着た警察官がやって来たので、「何事か? 私らに何か言いに来たのかな?」と一瞬思ったが、6月3日から1週間、「痴漢撲滅キャンペーン」だということを思い出した。案の定、何の声掛けもなく、警察官は戻って行った。巡回、ご苦労様。
まもなく、レノンさんがやって来た。「急行」は、この時間帯、かなり混んでいるので、余計なトラブルにならないよう、「各駅」に乗った。中目黒駅で、私らを見かけた駅員が近づいて来たが、レノンさんの「任意周知ジャンパー」や私の「ドクター差別半纏」を見たからだろうか、何も言わず戻って行った(苦笑)
渋谷駅を通過、新宿三丁目駅で下車し、一旦、改札を出て、今来た経路を戻ることにした。「各駅」に乗ろうと並んでいたら、女性の警備員から声掛けがあったが、「男性も乗れますよね?」と確認したら、「そうです」と言うので乗車した。渋谷駅を通過したら、そこからは東急電鉄の管轄、「ワンマン」から「車掌乗車」に変わった。その車掌が、速攻、声掛けに来たのだが、無視すると、怪訝な顔と言うか、すご〜く不機嫌な顔をして戻って行った。2、3度確認したのだが、私らが一旦、大倉山駅で降りるまで、その後も、その車掌は(車掌室で)ずっ〜と「不機嫌な顔」をしたままだった。しかし、私らがあまりにも堂々と乗車しているからだろうか、その後、声掛けはなかった。
街宣をするため、「携帯拡声器」は持参していたのだが、どうせなら、「大きな拡声器で」ということで、自宅に「街宣カート」を取りに戻った。そして、横浜へ。横浜駅西口では何回か街宣をしたことがあるが、別のグループがやっていたので、今回は「南口(=相鉄の改札があるところ)」ですることにした。私がノボリの準備をするなか、レノンさんから演説を始めてもらった。まずは、「携帯拡声器」での演説。エリーさん、そして、またレノンさんが演説したところで、「携帯拡声器」はお役御免、私・ドクター差別は、「街宣カート」の拡声器で演説した(注:反応は「上々」で、配ってもいないのに、「チラシを欲しい」という人も3、4人いた)、いや、(20分ほど)演説していた・・・
すると、近くの交番から、女性の警察官がやってきて、「『うるさい!』との通報があった。道路使用許可を取っていますか?」という、「いつも通り」の声掛けがあった。(注:そもそも、「うるさい!」という騒音の問題と「道路使用許可」の問題は、全く別の問題である) そこで、私は、これまた「いつも通り」に、「道路使用許可」に関する条例及び法律の説明をした・・・のだが、警視庁と神奈川県警では、法解釈が微妙に違うらしく、話がかみ合わない。(注:これまでの街宣は、そのほとんどが警視庁が所轄の「都内」である) 話が「平行線」なので一旦、女性警察官は交番に戻っていった。しばらくすると、男性警察官2人を連れて来た。
その男性警察官の1人が、かなり強硬で、「道路使用許可は取らないのは犯罪」、「氏名と住所を言わないと現行犯逮捕できる」などと言う。そこで、以前、神奈川県警(本部)に確認した際、「道路使用許可のないまま演説したらどうなるのか? 逮捕でもするのか?」と聞いたら、担当者が「逮捕はしません」(注1)と明言したことを申し上げた。そして、(念のため)免許証を提示し、身分も明らかにした。
なお、この警察官の言うように、本当に「演説をする場合は、どんな場合も道路使用許可を取らなければいけない」のなら、「道路使用許可」の申請には1回2000円ちょっとかかるので、週1回のペースでも1年間なら「10万円」も必要になる。これでは、「貧乏人」は街頭演説をするな、「お金のないNPO団体」は街頭演説するな、と言われているに等しい。しかし、この「お金持ちは演説を許可するが、貧乏人は演説を許可しない」と言うのが本当なら、これは「憲法21条1項」(注2)で、国民すべてに平等に保障されるところの「表現の自由」を侵害する行政行為と言わざるを得ない。
(注1)警視庁と神奈川県警では「道路使用許可」についてのスタンスが多少違っていて、神奈川県警の場合は、「演説をする場合は、どんな場合も道路使用許可を取らなければいけない」とは言ってはいないものの、「道路使用許可を取らないと、道路(=地面)に拡声器を置いての演説はできない」すなわち「(地面に拡声器を置かず)手に持っての演説ならば、道路使用許可を取る必要はない」とのことだった。しかし、この説明は、論理性に欠けている。道路(=地面)に拡声器を置いて演説しようが、拡声器を手に持って演説しようが、「道路」を使用するスペースは(ほとんど)同じである。にもかかわらず、一方は「道路使用許可が必要」、もう一方は「道路使用許可はいらない」では、どう考えても、辻褄が合わない。なお、「逮捕しない」というのは、要するに「(法律上)強制できない」からである。
(注2)憲法21条1項=「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」
すると、その警察官は、今度は、そこが一企業(=相鉄)の「私有地」だと言い出した。あれれ? 「私有地」なら、その所有者の許可を得る必要はあるが、警察に「道路使用許可」を申請する必要はないのではないか? どうなってるの?
とは言え、相鉄の「私有地」なら、私らは相鉄の「許可」は得ていないわけだから、直ちに(演説は)中止する旨、その警察官に伝えた。そして、「私らの団体は合法的活動を心がけており、チラシを配ったり、署名を求める場合は、道路使用許可を取っている」、「法律(=道交法)の趣旨は、道路使用許可を取る、取らないにかかわらず、通行人の迷惑にならないように(演説等を)して欲しい、ということではないのか?」(注3)、「(通りすがりの「うるさい!」には応じかねるが)キオスクなどから『お客さんの声が聞こえにくい』などの申し入れがあれば、音量を小さくしたり、スピーカーの向きを変えたりしている」などと申し上げた。また、拡声器の騒音に関する法律及び条例の話(注4)もした。最後の方は、その(強硬だった)警察官も、時々、笑顔を見せるようになり、なごやかな雰囲気になった。
(注3)「道交法77条1項4号」には、「一般交通に著しい影響を及ぼすような形態や方法により道路を使用する場合、又は、道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為の場合、所轄の警察署長の道路使用許可を受けなければならない。」とある。つまり、この「所轄の警察署長の道路使用許可を受けなければならない」という場合は、「一般交通に著しい影響を及ぼすような場合」であって、動線から離れたところで、通行人の妨げにならない方法で演説をする分には「道路使用許可」を受ける必要はない、と解するのが妥当である。なお、「道路使用許可」を取ったからと言って、「通行の妨げをしていい」なんてことにはならないのは、言うまでもない。
どう見ても、通行の妨げになっているようには見えないが?
(注4)「拡声器」による騒音が問題になるのは、「静穏保持法(=国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律)」、「騒音規制法(=工場の騒音、建設工事の騒音、自動車騒音の規制)」、「環境確保条例の拡声機に係る基準(=商業宣伝を目的とする拡声器の使用に関する禁止区域等及び遵守事項)」などがあるが、これらの法律及び条例は、私らの演説には当てはまらない。私らの演説に関係する(と思われる)のは、「拡声機による暴騒音の規制に関する条例」であるが、この「条例」は、あくまで「右翼団体が行うような街宣車を使った企業活動等への妨害行為を想定したもの」で、その前文には、「法令や社会常識の範囲内で行われる演説を不当に制限するものではない」と謳われている。もちろん、私らの演説は、その「範囲内の演説」である。ちなみに、「暴騒音」の基準としては、一応、「10メートル離れて85デシベル以上」というのがあるが、これもあくまで「1つの目安」と言えるだろう。もし、この基準を杓子定規に適用したら、100ワット以上の拡声器を4台積んだ街宣車を使った政党幹部の演説などは、まず、「アウト」である。(注:ちなみに、私・ドクター差別の「街宣カート」には、最大35ワットの拡声器が1台搭載されている)
というわけで、演説は途中で終了。エリーさんやレノンさんにとっては、「携帯拡声器」のみでの演説となってしまった。しかし、これも「1つの経験」である。その後、喫茶店で打ち合わせをし、東横線で菊名駅まで同乗、そこで解散した。
女性が「セクハラです!!」と言えばセクハラなら、 女性が「痴漢です!!」と言えば痴漢?(大倉山駅)
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「活動報告」書庫の記事一覧
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2013/9/20(金) 午後 11:22
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2013/9/14(土) 午前 4:05
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2013/9/6(金) 午後 11:43
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2013/9/4(水) 午後 8:32
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2013/8/24(土) 午前 0:29
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2013/8/17(土) 午前 1:46
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2013/8/10(土) 午前 1:15
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本日の任意確認乗車及び街頭演説に参加されました皆様、お疲れ様でした。警察官の方からも理解を得て、最終的には笑顔にしてしまうくらいのドクター様のわかりやすい説明だったということですね。このブログ記事を読んでいてもよく伝わってきます。また一つ勉強になりました。ありがとうございます。お話変わりますが、”痴漢です”ポスターは本当にムカつきますね。許されるなら正直、破り捨ててやりたいくらいです。しかしこの怒りは別の合法的な活動に向けて行きたいと思います。例え相手が嘘や誘導、印象付けという反則行為を平気でやる悪役のヒールみたいなものとは言えども、こちらはフェアプレーで立ち向かうからこそ、最終的に活動は実を結ぶものだと考えています。
2013/6/6(木) 午後 9:27 [ 任意確認電話 ]
任意確認乗車・街頭演説 お疲れ様でした。
しかしなんです?この使えない警察官どもは?(笑)
女性警官は対応しきれずに撤退 → 「俺が言ってやる!」とばかりに現れた男性警察官もウソウソ刑法で脅して追い払おうと試みるもドクターさんらの正論の前に粉砕(笑)
こんな冴えない連中だからこそ「交番勤務」なんでしょうね。
まあ、これからも「変な奴ら(笑)」に何かと絡まれることも多かろうとは思いますが、活動頑張ってください。
2013/6/7(金) 午前 0:12 [ やぐるまの鏡 ]
乗車と街宣、お疲れ様です。
通報した者は演説内容が気に食わなかったのでしょう。
それにしても、横浜駅での演説は珍しいですね。
新宿、渋谷、秋葉原だけだと、この3つの駅の利用者以外は演説を聞くことは無いので
いろんな場所で演説すべきだと思います。
個人的には横浜市なら桜木町駅の広場が演説しやすいと思います。
いつもの場所以外で都内なら、中野駅北口とそのバス乗り場付近が演説しやすいと思います。
2013/6/7(金) 午前 0:38 [ maple5 ]
任意確認電話様
>最終的には笑顔にしてしまうくらいのドクター様のわかりやすい説明だった
警察官のテンションからして、最初は「どうなることか」と思いましたが、ひるむことなく「正論」を主張しつつ、それでいて相手の立場にも配慮する、ということで対処いたしました。
>また一つ勉強
「相手の立場になって考える」、これが上達のポイントです。「勝負事」でもそうですし、今回のような「説得」でもそうです。
>怒りは別の合法的な活動に向けて行きたい
すばらしい考え方です。これが一番大事ですね。
2013/6/7(金) 午前 1:48
やぐるま様
>「変な奴ら(笑)」に何かと絡まれることも多かろう
ええ、この活動をしていると、「世の中、いろんな人がいるな」と実感させられます(苦笑) まあ、それも「勉強」ですね。
ところで、この活動をして15年以上になります。前半の8年は「年齢差別」中心、後半の7年は「男性差別(=女性専用車両等)」中心です。「前半」は、一部に「反対する者(=年齢制限に賛成する者)」はいたもののイチャモンをつける輩は少なかったですが、「後半」は、「賛否両論」のある話題だからでしょう、イチャモンをつける輩が結構多く、警察官がやってくることが「しばしば(=これまで数十回)」です(苦笑)
2013/6/7(金) 午前 2:00
maple5様
>通報した者は演説内容が気に食わなかった
まず、そうでしょう。「よくあるパターン」です(苦笑)
>横浜駅での演説は珍しい
横浜市内(=港北区)で数十回、横浜駅では20回くらいでしょうか? しかし、駅構内以外の道路(に見えるところ)も、「相鉄の私有地」だとは知りませんでした。「私有地」は、「道路」として使われている土地でも、やはり、その所有者の「許可」を得ないといけないでしょうね。ただし、「私有地」であれば、警察から「道路使用許可」を得る、というのは(ちょっと)違うような気がします。
2013/6/7(金) 午前 2:11
>いろんな場所で演説すべきだと思います
やるんでしたら若者の多い町(六本木・吉祥寺・お台場 etc)でもやっていただきたいですね。
2013/6/9(日) 午前 1:03 [ くらうど・みすたあ ]