輝く韓国文化勲章 大日寺・金昴先住職、日韓交流貢献で受章 2011/11/21 14:41
韓国伝統舞踊家で四国霊場13番札所・大日寺住職の金昴先(キムミョウソン)さん(54)=徳島市一宮町=が、韓国の文化勲章「花冠(かかん)」を受章した。日本で舞踊の公演や指導に当たる一方、韓国の舞踊仲間に阿波踊りを伝授するなど両国の文化交流推進に貢献したことが評価された。
1996年3月に大日寺住職の大栗弘榮(こうえい)さんと結婚して来日した金さんは、2007年に死去した弘榮さんの跡を継ぎ、舞踊家と住職の二足のわらじを履いている。
02年10月から徳島新聞カルチャーセンター・韓国伝統舞踊講座の講師を務めているほか、全国から訪れるお遍路さんに踊りを披露したり、県内外で年間約120公演を行ったりと精力的に活動。韓国の舞踊団を率いて徳島市の阿波踊りに参加するなどしてきた。
韓国の勲章は建国、武功など12分野に分かれ、それぞれ五つに階級分けされている。文化芸術の発展に寄与した人に贈られる文化勲章の中で花冠は5番目。今年は金さんら3人に授与された。
10月15日、韓国江陵市であった表彰式に出席した金さんは、文化体育観光部(文部科学省に相当)の崔光植(チェガンシク)長官から勲章と賞状を贈られた。
壇上で思い浮かべたのは、亡き夫の笑顔だった。「日本に嫁げば舞踊家としてのキャリアは終わる」と結婚に反対する人もいたが、弘榮さんが舞踊家としての活動を応援し続けてくれた。
「勲章は夫がもらったようなもの」。金さんは涙ぐみながら「人の心を動かす踊り手になる。舞踊だけでなく、仏道や遍路の精神を通じても日韓の懸け橋になりたい」と語った。
【写真説明】韓国文化体育観光部の崔光植長官(右)から文化勲章の賞状を受け取る金さん=10月15日、韓国江陵市