航空自衛隊小牧基地(愛知県)所属の大型輸送機5機が20日、大町市街地上空を低空飛行し、市民の問い合わせが市役所に相次いだ。大町市中心街では「何かあったのか」と不安げに空を見上げる市民もいた。同基地は山岳地域での通常の低空飛行訓練で、最低安全高度も順守している―と説明している。
同基地渉外室によると、輸送機はC130H。2機と3機の編隊で小牧基地を飛び立ち、北アルプス西部沿いに北上して日本海を経由し、北ア東部沿いに大北地方を南下。伊那谷の南アルプス山麓を経て帰投したという。地上目標を目視しながらの航法訓練で、航空法に基づき、人家密集地では地上300〜400メートル、それ以外では150メートル以上の高度を維持したという。17日にも2機が同じルートで訓練飛行したとしている。
大町市街地では20日午後1時20分すぎ、迷彩色と空色の計5機が続けざまに飛来。機体の日の丸もはっきりと見えた。目撃者らによると、北安曇郡松川村付近で左に旋回し、長野方面に飛び去ったという。市役所には「オスプレイの訓練か」「なぜあんなに低く飛ぶのか」などの問い合わせが5件あった。県危機管理部によると、県内ではこの日、大町市以外では、埴科郡坂城町の住民からも複数で低空を飛ぶ飛行機の情報が寄せられた。