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【プロ野球】

熱投マエケン胴上げ阻止15勝

2013年9月22日 紙面から

巨人戦に先発した広島の前田健=東京ドーム

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◇広島7−4巨人

 広島・前田健が38度の高熱を押してド根性の出陣。6イニング1安打無失点に封じ、原・巨人の胴上げを阻止した。

 前日から体調不良だった様子で、この日の試合前練習にも姿を現さずベンチ裏で静養。首脳陣は登板回避も検討したが「行くと言ってくれた」と野村監督。エースはフラフラの体にムチを打ち、白球を握った。

 初回は病人には全く見えなかった。長野、井野から三振を奪うなど3人斬り。だが2回、投ゴロを一塁へ悪送球すると、膝に手を付き、がっくり。5回にも先頭・高橋由に四球を出すと膝に手を付いた。明らかにいつもとは違うしぐさ。それでも最速147キロを計測し、予定の5回まで気力で無安打に抑えた。

 自身2度目のノーヒットノーランへの可能性が続投する結果になった。「『もう、しんどい』とは話していたが無安打だったし…」と指揮官。結局、6回先頭の立岡に初安打を浴び快挙は消え、この回を投げ切り、81球の熱投を終えた。

 降板後は、もう限界を通り越していた。試合中に東京都内の病院に直行。「扁桃(へんとう)炎」と診断された。そのまま宿舎に戻り、静養となった。次戦は中4日で26日の中日戦(ナゴヤドーム)が予定されていたが、登板は厳しい見込みとなった。

 監督は「皆さんは『さすが』と思って見ていたかもしれないけど、僕は『こいつ、すごいな』と思って見ていた」と、脱帽。後世まで語られる、まさに「マエケン伝説」の夜となった。

 これで球団では84年の大野豊以来の9連勝。ハーラー単独トップの15勝は、最多勝に輝いた10年に並ぶ自己最多タイ。対巨人戦も自身今季3連勝となり、チームも同一シーズンでは4年ぶりとなる4連勝を飾った。

 借金も5月3日以来の2となり、CSクリンチは5に減った。「下を見るより、上に食らい付いていく」と言うマエケン。この熱投が、チームに最後のカツを与えたのは間違いない。 (荒木司)

 

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